白血病は、白血球の成熟過程におけるどの段階でのがん化がおきているかにより 急性白血球と慢性白血病に分類されます。 又、がん化がおきている場所により、骨髄性白血病とリンパ性白血病に分類されます。 急性白血病は、FAB(French-American-British Classification)分類により、骨髄性、リンパ性に大別されます。 FAB分類とは、血を染色後、顕微鏡で見た時の、染まり方と見た目による分類です。 急性骨髄性白血病(AML:acute myelocytic leukemia)は、造血幹細胞の分化における初期段階におけるがん化です。 未成熟な白血球細胞=芽球が増殖し、骨髄における正常な造血を阻害し、さらには骨髄からあふれて末梢血にまであふれてきます。 急性リンパ性白血病(ALL:acute lymphocytic leukemia)は、白血球の一種であるリンパ球が成熟初期段階におけるがん化です。 小児(10歳未満)に好発するという特徴があります。 急性白血病の治療は、寛解導入療法→地固め療法→維持療法の順で治療を進めます。 寛解導入療法後、造血幹細胞移植を行うこともあります。 寛解導入療法とは、抗がん剤を用いた最初の段階の白血病治療です。 地固め療法とは、寛解導入療法に引き続いて、更に抗がん剤をプラスしてがん細胞を徹底的に叩く療法です。大量化学療法の1種です。目的は再発の基となるがん細胞を残さないことです。 維持療法とは、外来で行う化学療法です。 造血幹細胞移植は、再発ハイリスク群の患者に対して、地固め療法の段階で主に行われます。 主な造血幹細胞移植には、骨髄移植と、末梢血幹細胞移植があります。 正常な造血幹細胞を移植することにより、正常な血液を作ることができるようにする治療です。 慢性骨髄性白血病(CML:chronic myelicytic leukemia)は、後天的な造血幹細胞の遺伝子変異による白血球のがん化です。 フィラデルフィア染色体と呼ばれる、9番目と22番めの染色体の転座が特徴としてみられます。 これにより、22番染色体上のBCRと9番染色体のABLと呼ばれる遺伝子領域が複合し、キメラ遺伝子であるBCR-ABL遺伝子が形成されます。この遺伝子の産物であるBCL-ABLチロシンキナーゼが発症の原因です。 このチロシンキナーゼの選択的阻害剤であるイマチニブが第一選択薬として用いられます。 慢性リンパ性白血病(CLL:chronic lymphocytic leukemia)は、Bリンパ球が未成熟なままがん化する白血病です。欧米で多くみられ、アジア人には少ないという、人種による発症率の違いが特徴として挙げられます。 Bリンパ球の増殖により、正常な免疫グロブリン産生が抑制され、異常抗体の産生から自己免疫性疾患へと進展することがあります。 治療には、抗がん剤や、プレドニゾロンが用いられます。 |