6) 食道癌、胃癌、肝癌、大腸癌、胃炎、薬剤性肝障害、胆石症、虫垂炎、クローン病


食道癌とは、食道に発生するがんの総称です。
食道とは、のどと胃の間をつなぐ管状の臓器です。


日本人の食道がんは、ほとんどが表面の扁平上皮におけるがんです。
食道への物理的刺激(煙草、アルコールなど)が誘引とされています。
(欧米では、半数以上が、腺上皮と呼ばれる、上皮の特殊な一部におけるがんです。
食事の欧米化に伴い、日本でも腺がんの比率が増えることが予想されています。
がんの種類により、治療戦略が変わってくるため、このような分類に意味があります。)

一般的には手術療法が第一選択になることが多いです。




胃がんとは、胃粘膜上皮から発生したがんです。
発生率が高く、死亡率も肺がんについで高いがんです。(2012年現在)

表面からより深い部分へと進行していき、進行の深達度による分類として、Bormann分類が知られています。

原因として注目を浴びているのがH.Pylori菌による慢性の炎症です。
他にも、塩分の多い食事や煙草は、胃がんの発生を増加させることが知られています。

外来治療では、TS-1(テガフール、ギメラシル、オテラシル配合剤)がよく用いられます。




大腸がんとは、大腸に発生するがんです。肛門のがんを含みます。
近年急増しているがんの1つであり、女性のがん死亡原因の1位です。(2012年現在)

原因は不明ですが、食生活や遺伝との関連があることが示唆されています。

発生部位としては、直腸が多いという特徴があります。

初期症状は便通異常、腹痛、血便などです。

治療としてFOLFOX療法(5-FU、レボホリナート、オキサリプラチンの多剤併用療法)
やFOLFIRI(5-FU、レボホリナート、イリノテカン)療法が用いられます。





胃炎とは、胃粘膜の炎症です。

原因の多くは薬剤、ストレス、H.pylori感染です。
薬剤では、特にNSAIDsが知られています。

胃炎は、急性胃粘膜病変と慢性胃炎に分けられます。

急性胃粘膜病変は、数日~数週間の経過で治癒します。

慢性胃炎は慢性的に炎症が続く疾患です。胃粘膜の萎縮が生じます。
胃粘膜萎縮は、胃酸や内因子の分泌減少につながり、様々な合併症を引き起こすことがあります。



薬剤性肝障害とは、薬物が原因である肝障害です。

薬剤性肝障害は、あらゆる薬剤が原因となる可能性があります。
主な起因薬物として、アセトアミノフェン、ハロタン、クロルプロマジン、アンピシリンなどが知られています。

肝細胞障害型、胆汁うっ滞型、混合型の3つに大きく分類されます。

胆石症とは、胆道に結石ができる病気の総称です。
原因は、コレステロール系結石と、色素結石が主な原因です。
色素結石とは、感染症などによる炎症による結石のことです。

結石ができる場所により、肝内結石、胆管結石、胆のう結石に分類されます。
胆のう結石が、胆石症の約80%を占めます。

治療薬には、ウルソデオキシコール酸などが用いられます。



虫垂炎とは、虫垂の化膿性炎症です。
10~20歳に多いという特徴があります。
軽症の場合は抗菌薬の投与により経過観察となることがあります。
(「ちらす」と称されます。)
手術適応(切除)となることが多いです。



クローン病とは、口から肛門までに、非連続性の慢性肉芽腫性の炎症を生じる
原因不明の炎症性疾患です。
20歳代を中心とする若年者に好発するという特徴があります。

治療には、ステロイド、メサラジン、インフリキシマブなどの抗炎症薬が用いられます。
又、消化管における炎症により、食事摂取が出来なかったり、吸収不良がおきるため、栄養療法も行われます。栄養療法とは、完全中心静脈栄養や、成分栄養療法といった療法のことです。
具体的には、静脈や鼻、胃や腸に空けた穴からの栄養補給のことです。