4) 糸球体腎炎、糖尿病性腎症、尿路感染症、薬剤性腎症、尿路結石の概説








糸球体腎炎とは
腎臓の炎症の一種です。
主に糸球体に炎症がおきるのが
糸球体腎炎です。


大きく急性糸球体腎炎(AGN:Acute glomerulonephritis)と
慢性糸球体腎炎(CGN:Chronic glomerulonephritis)に
分類されます。


急性糸球体腎炎の主な原因は
A群β溶血性連鎖球菌による感染です。

まず、上気道感染し
その後2週間程度で発症します。

発症機構は
III型アレルギーによるものであり
免疫複合体の関与が知られています。

血尿、浮腫、高血圧が三大主徴です。

基本的には安静による自然治癒が見られます。

浮腫、高血圧などに対して
必要に応じて薬物治療が行われます。



慢性糸球体腎炎は
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)の一種です。

原因は不明ですが
免疫複合体の関与が多いとされています。

炎症治療と、血圧コントロールによる
対症療法が行われます。

使用される薬物は
抗炎症薬として、プレドニゾロン
降圧薬として、フロセミドやACE阻害剤などが用いられます。

特にACE阻害剤は
腎保護作用があり、投与が推奨されます。

しかし、ACE阻害剤は腎排泄型薬物であるため
高度な腎障害に対しては、投与量を減らすなどの対処が必要です。



糖尿病性腎症とは
継続した高血糖状態により、腎臓の機能が損なわれることです。

糖尿病の3大合併症の一つです。
(残り2つは、神経症、網膜症)

糖尿病性腎症は
進行の度合いにより
第1期から第5期まで分類されます。

初期には厳格な血糖コントロールを行います。

進行するとさらに血圧コントロールも行われます。



尿路感染症とは
尿路で生じた感染症です。

部位により
上部尿路感染症と下部尿路感染症に
分類されます。


上部尿路感染症とは
腎盂腎炎や、尿管炎のことです。


下部尿路感染症とは
尿道炎や、膀胱炎のことです。


又、基礎疾患の有無により
単純性尿路感染症と、複雑性尿路感染症に分類されます。


単純性尿路感染症とは
基礎疾患のない尿路感染症です。

大部分は糞便中の大腸菌による感染が原因です。


複雑性尿路感染症とは
基礎疾患のある尿路感染症です。

結石や前立腺肥大などを基礎とし
複数の菌の感染が原因となります。

治療には
腎移行性のよいペニシリン系や
セフェム系の抗菌薬を用います。



薬剤性腎症とは
薬物が原因である腎症です。

代表的な腎障害を引き起こす薬剤として
アミノグリコシド系抗菌薬、NSAIDs などがあります。

用量依存性直接型腎障害と
アレルギー性過敏型腎障害に大別されます。


用量依存性直接型腎障害では
特徴的な症状などは見られませんが
腎機能低下がおきます。


アレルギー性過敏型腎障害では
発疹、発熱といったアレルギー性の所見が見られます。



尿路結石とは
腎臓、尿管、膀胱、尿道に腎結石が生じることです。

腎臓や尿管の結石を
上部尿路結石と呼びます。(頻度はこちらが高い)

膀胱や尿道の結石を
下部尿路結石と呼びます。

石の成分の大部分は
カルシウム結石です。

水分を多く取り、運動を行うことが
石が取れる促進要因となります。

対症療法として
ブチルスコポラミン(鎮痙薬)や
インドメタシン(痛み止め)などが用いられます。

又、尿酸結石の予防として
クエン酸カリウム(尿アルカリ剤)などが用いられます。