3) クッシング症候群の病態生理、治療薬、注意点


クッシング症候群 とは、慢性のステロイド過剰分泌のことです。クッシング症候群は、ステロイド過剰分泌の原因により3つに分類されます。

すなわち、クッシング病、異所性ACTH症候群、副腎疾患です。


クッシング病とは、下垂体腺腫が原因であるクッシング症候群です。ACTHの過剰分泌が見られます。


異所性ACTH症候群は、下垂体以外の腺腫がACTHを過剰に産生することによるクッシング症候群です。肺がんなどが原因となります。


副腎疾患は、何らかの原因により、副腎のコルチゾール産生が過剰になることによるクッシング症候群です。CRH、ACTHは、常に抑制されているにもかかわらずコルチゾール産生が過剰であるのが特徴です。


※視床下部(CRH)→下垂体(ACTH)→副腎(コルチゾール)→負のフィードバックというのが正常のサイクル。


糖質コルチコイド作用が過剰になることで、ムーンフェイス、多毛症、高血糖、骨粗しょう症、易感染性などの症状があらわれます。又、鉱質コルチコイド作用が過剰になることで、高血圧、浮腫、低カリウム血症などの症状があらわれます。


代表的な検査として、メチラポン投与、デキサメタゾン抑制試験が行われます。

メチラポンとは、副腎皮質の 11-β-hydroxylase を阻害する薬で、コルチゾールの産生を抑制します。クッシング病であれば、コルチゾールの産生抑制→負のフィードバックにより、ACTH分泌が増加します。副腎疾患であれば、もともと副腎におけるコルチゾール産生過剰により、負のフィードバックがかかっている状態なので、メチラポン投与による変化はありません。


デキサメタゾン抑制試験は、要はコルチゾールを更に投与してみる検査です。クッシング病であれば、コルチゾール量上昇→負のフィードバックにより、ACTHの分泌抑制につながります。副腎疾患であれば、もともと副腎におけるコルチゾール産生過剰により、負のフィードバックがかかっている状態なので、デキサメタゾン投与による変化はありません。


治療の第一選択は外科的治療です。外科的治療が不能だったり、再発例に対して ミトタン や トリロスタン が用いられます。副作用が強く、慎重な投与が求められます。




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