4) 尿崩症の病態生理、治療薬、注意点


尿崩症(視床下部、下垂体)とは、バソプレシンの産生や作用の障害により、腎集合管における水の再吸収が正常に働かず、多尿となる疾患のことです。


尿崩症は、原因により中枢性と腎性に分類されます。中枢性尿崩症とは、バソプレシンの産生や分泌能の低下が原因である尿崩症です。中枢性尿崩症は、さらに特発性、続発性、遺伝性に分類されます。


特発性尿崩症とは、原因が不明(自己免疫性?)の尿崩症です。(約40%)続発性尿崩症とは、頭部外傷などにより引き起こされる尿崩症です。(約60%)遺伝性尿崩症は、Wolfram症候群(原因不明。2012時点)などにより引き起こされる尿崩症です。(約1%)


中枢性尿崩症の治療は、デスモプレシン点鼻によるホルモン補充療法などが行われます。適応外使用(2012時点)ですが、カルバマゼピン、クロフィブラート、クロルプロパミドが、バソプレシンの分泌促進や、作用の増強などを意図して用いられることもあります。


腎性尿崩症とは、バソプレシンの分泌は正常ですが、腎集合管のバソプレシン受容体の変異が原因でバソプレシンに反応しなくなることによる尿崩症です。腎性尿崩症はさらに、先天性と後天性に分類されます。先天性の腎性尿崩症とは、バソプレシン2型受容体遺伝子や、水チャネル遺伝子の変異による尿崩症です。後天性の腎性尿崩症とは、高Ca血症などの疾患に伴う尿崩症です。


治療薬として、チアジド系利尿薬やプロスタグランジン(PG)生成阻害薬が用いられます。





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