1-4 2) 電離放射線の種類、物質との相互作用






電離放射線の種類は、α線、β線、γ線及びX線です。


α線は、物質と極めて大きい相互作用をします。
具体的には、物質の軌道電子に電磁気的な影響を及ぼします。

α線の特徴は、ひたすら直進することです。
又、α線は紙1枚で遮断することができます。



β線は、α線よりは小さい相互作用をします。
β線は、さらにβ線とβ線に分類されます。
β線、β線について以下に述べます。

β線の物質との相互作用は大きく3つに分類されます。
すなわち、弾性散乱、非弾性散乱、制動放射です。

・弾性散乱→原子核のそばを通る時、正電荷の影響を受けて進行方向が変わるような相互作用です。
※弾性散乱では、β線の運動エネルギーは減少しない。

・非弾性散乱→軌道電子などと作用し、進行方向を変えながら、運動エネルギーを失うような相互作用のことです。

・制動放射→弾性散乱とほぼ同じだが、進行方向が変わる時に、減速するような相互作用です。
減速に伴い、余分なエネルギーが制動X線として放出されます。

β線は、放射されると運動エネルギーをだんだん失い、近くの電子 e- と結合して消滅します。
その際に180°方向に2本の消滅放射線(消滅γ線)を放出します。



γ線は、極めて小さい物質との相互作用をします。
γ線と物質との相互作用は大きく3つに分類されます。
すなわち、光電効果、コンプトン効果、電子対生成です。


・光電効果→γ線が物質の軌道電子と衝突し、全エネルギーを与えて
電子を原子から放出させる現象のことです。
放出された電子は特に光電子と呼ばれます。


・コンプトン効果(コンプトン散乱とも呼ばれます。)→簡単にいうと
全エネルギーを与えきれなかった光電効果のことです。

γ線が、物質の軌道電子と衝突し、電子を原子から放出させるとともに、エネルギーがある程度減少したγ線は、進行方向を曲げられて散乱γ線として散乱する現象のことです。


・電子対生成は、原子核のそばでγ線が消滅し
陽電子と陰電子を生成する現象のことです。



X線は、極めて小さい物質との相互作用をします。
X線は、γ線より長波長です。





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