2-3 3) 代表的な物理変化、化学変化に伴うエンタルピー、エントロピー変化






エンタルピー、エントロピー変化に関して
代表的な物理変化、化学変化を例にあげて
詳しく解説します。


代表的な物理変化として
水の個体から液体への相転移を例にあげます。(例1)

代表的な化学変化として
気体の混合を例にあげます。(例2)


例1)氷が水に融解した。(0℃)
(融解エンタルピーは、6.01kJ/molと
過去の実験、及び文献によりわかっているとします。)


 「融解エンタルピーが6.01kJ/mol」ということの意味は
「氷1molが融解して水になるには6.01kJ必要」ということです。
これは、実際に氷1molを用意して、熱を与えて測定すればわかる値です。


 次に、融解に伴うエントロピー変化は
ΔS=q/T を適用すると、6.01×1000/273 = 22.01 J/K です。
ここで T は、状態変化がおきた時の温度です。



例2)仕切りのある容器に2種類の気体を入れておいて、仕切りをとった。


まず、熱の出入りがあったわけではないので、エンタルピーは変わりません。
次に、気体が混ざり合い乱雑さが増すので、エントロピーが増大します。


※補足解説
 ここで、先ほどの例1におけるエントロピー変化において
ΔS=q/T という定義(熱力学的定義)から考えれば
q=0だからエントロピー変化(ΔS)も0ではないのか
と思うことがあるかもしれません。

 例2におけるエントロピーは、「統計力学的エントロピー」と呼ばれるものです。
すなわち、熱力学よりもミクロな視点に着目したエントロピーであるといえます。

 ミクロな視点に注目すると、仕切りをとったことにより
気体は一様に広がろうと自発的に動きます。

 運動すると暑くなるように、ミクロな視点で見た時
この気体たちは動きはじめた→熱を産生しはじめた
という雰囲気で考えるとよいかと思います。

 イメージではなく、定義としては、統計力学的エントロピーは
「系が取りうる状態の数の自然対数に、ボルツマン定数をかけた量」です。

 理解としては、「気体が取りうる状態(どこに、どのように存在するか)が増えた」ということを
「統計力学的エントロピーが増大した」と記述すると覚えておけばよいかと思います。