自由エネルギーは、圧力及び温度の変化に伴い変化します。 すなわち 圧力一定ならば、温度が上昇するにつれて、自由エネルギーGが減少します。 温度一定ならば、圧力が増大するにつれて、自由エネルギーGが増大します。 これは、定義である ΔG=ΔH-TΔS から考えると理解の補足になるかと思います。 すなわち、温度が上昇するとは、Tが上昇するということなので TΔSの項が大きくなることから、式全体でみれば値は減少します。 又、温度一定で圧力が増大すれば Hの定義が H=U+pvであることから(物理化学まとめました 2-2 7) エンタルピー 参照) Hが増大するためΔHの項が大きくなり、式全体で見た時値が増加するといえます。 補足) pが増大したら、vが小さくなって 結局Hは変わらないのではないかと考える かもしれません。 vは確かに小さくなりますが 温度一定という条件があるため Hの値が大きくなる程度しか vは小さくなりません。 これはエンタルピーの定義に立ち戻って考えるとよいと思います。 そもそもエンタルピーとは、定圧条件下において設定した量です。 その意味は「定圧下における系に出入りする熱の量」であり 言い換えるなら「定圧下における系が持ちうるエネルギー量」といえます。 ところで、「圧力が高い」とは、系中の分子が激しく運動していることを示しています。 系中の分子が激しく運動していれば、それぞれの分子が持つエネルギーも大きいといえます。 つまり、系全体が持つエネルギ-も大きいといえます。 つまり、本来定圧で考える量であったエンタルピーですが もしもいくつかの圧力においてエンタルピーを計算したとすれば 圧力が高いほど、エンタルピーも大きいと考えられるわけです。 |