5) 分配平衡




互いに混ざらない、水と有機溶媒に、化学物質を加えて振り混ぜると
水層と有機層に、ある割合ずつ存在して平衡に達します。

化学物質が全て分子形であると仮定した時、水層と有機層における化学物質の割合を
真の分配係数と呼びます。

実際には、化学物質は溶媒中で、分子形とイオン形の平衡状態にあるので
見かけの分配係数を、以下のように定義します。
ポイントは、酸性弱電解質の見かけの分配係数は
溶媒のpH が低いほど分子形の割合が高いため、真の分配係数に近いことです。

ちなみに、大体 pH 1 であれば、ほぼ、酸性弱電解質は分子形であると考えてよいです。
※ 塩基性弱電解質の場合は、 pH が高いほど、真の分配係数に近づきます。


水溶液中の物質の、有機溶媒への抽出は、夾雑物の分離や
目的成分の濃縮のために、分液ろうとを用いて一般的に行われています。
有機化学の実習などで経験があるのではないでしょうか。

抽出効率を高くするためには、できるだけ見かけの分配係数の大きい有機溶媒の使用
溶媒量を多くすること、同じ溶媒量ならば、数回に分けて繰り返し抽出するといった方法が有効です。