問112
図に示す正常ヒト体細胞の細胞周期に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.G1期からS期への移行には、サイクリン依存性キナーゼが関与する。 2.G1期にある細胞は、G0期と比べてDNA量が4倍となっている。 3.DNA合成は、G1期に起こる。 4.G2期に損傷が認められたDNAは、M期に修復される。 5.有糸分裂は、M期に起こる。
正解 (1)、(5)
選択肢 1 は、正しい記述です。
種々のサイクリン及び サイクリン依存性キナーゼが存在し 細胞周期の各段階で それぞれのタンパク質が関与します。
選択肢 2 ですが G1期はギャップ期の一部です。 DNA量はまだG0 期のままです。 S期で2倍になります。 よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが 合成はS期です。 ちなみにSはsynthesis の略です。
選択肢 4 ですが 細胞周期には、チェックポイントがいくつかあります。 チェックポイントで異常が発見されると 次の段階へは進みません。
チェックポイントの1つがG2/M チェックポイントです。 従って、G2期に損傷が認められると M期に進みません。つまり、M期に修復されるわけではありません。 よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。 ちなみにMがMitotic の略です。 有糸分裂の という意味です。
以上より、正解は 1,5 です。
参考 生化(1) 2-4 1)、生化(2) 2-3 4) |