国試103回 解説141~145



141

 

調剤された薬剤に関する情報提供及び指導についての薬局開設者の義務として、誤っているのはどれか。1つ選べ。

 

1.薬剤師に、対面により、情報提供及び指導を行わせなければならない。

2.薬剤師による情報提供及び指導は、書面等を用いて行わせなければならない。

3.薬剤師に、情報提供及び指導を行わせるにあたり、あらかじめ、患者の年齢、他の薬剤の使用状況等を確認させなければならない。

4.薬剤を交付した患者から相談があった場合には、薬剤師に、情報提供又は指導を行わせなければならない。

5.薬剤師による情報提供又は指導ができないときは、薬剤を交付した後、薬剤師にその旨を処方医に連絡させなければならない。

 

 

正解 (5)

 

医薬品、医療機器等の品質

有効性及び安全性の確保等

に関する法律(以下 薬機法)

第九条の三 3項により

 

薬剤師による

情報提供又は指導ができないときは

薬剤を販売、又は授与してはなりません。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 5 です。

 


 

142

 

毒薬又は劇薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.毒薬には、その直接の容器又は直接の被包に、白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。

2.薬局開設者は、封を開いて毒薬を販売することができる。

3.薬局開設者は、常時取引関係を有する薬剤師に対して劇薬を販売する場合、法で定められた事項が記載された文書を受け取る必要はない。

4.毒薬又は劇薬は、16歳未満の者には交付してはならない。

5.病院又は診療所において、劇薬を貯蔵する場所にはかぎを施さなければならない。

 

 

正解 (2)(3)

 

選択肢 1 ですが

記述は劇薬についての色です

「黒地に白枠、白字」が毒薬の色です。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2,3 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 4 ですが

毒薬・劇薬は、14 歳未満への

販売・交付が禁じられています。

16 歳ではありません。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 ですが

劇薬の貯蔵に施錠は不要です。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 2,3 です。

 

 

類題 97-144,98-143

 


 

143

 

指定薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.麻薬は、指定薬物に含まれる。

2.覚醒剤は、指定薬物に含まれる。

3.何人も広告を行ってはならない。

4.医薬品医療機器等法による「医療等の用途」以外の用途に使用してはならない。

5.厚生労働大臣は、指定薬物の疑いがある物品を発見した場合、その物品を貯蔵している者に対して、指定薬物であるかどうかの検査を受けるべきことを命ずることができる。

 

 

正解 (4)(5)

 

指定薬物とは

「中枢神経系の興奮若しくは抑制

又は幻覚の作用を有している蓋然性が高く

身体に使用された場合に

保健衛生上の危害の発生の

おそれがある物」であって、指定されたものです。

 

なぜわざわざ指定するかといえば

様々な取締法で、規制されていないからです。

 

 

選択肢 1,2 ですが

麻薬、覚醒剤はそれぞれ

麻薬及び向精神薬取締法

覚醒剤取締法 で規制されています。

よって、選択肢 1,2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

薬機法第第七十六条の五により

「医事若しくは・・・医薬関係者等向けの

新聞又は雑誌・・・医療等の用途に使用する者を

対象として行う場合を除き・・・」

という例外事項があげられています。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4,5 は正しい記述です。

 

 

以上より、正解は 4,5 です。

 

 

類題 100-142,101-141

 


 

144

 

薬剤師の業務に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.処方された医薬品を備蓄していなかったので、調剤を拒否した。

2.患者から薬袋不要の申出があったので、調剤した薬剤だけを交付した。

3.処方箋を交付した医師の同意を得て薬剤を変更して調剤した。

4.処方箋に発行の年月日の記載がなかったが調剤した。

5.薬剤師免許証を紛失し、再交付申請中であるが、調剤した。

 

 

正解 (3)(5)

 

選択肢 1 ですが

薬剤師法第 21 条により

調剤の応需義務があります。

正当な理由なく拒否できません。

 

そして備蓄していない

というのは正当な拒否理由にはなりません。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 ですが

薬剤師法第 25 条により

「薬剤の容器又は被包に

処方せんに記載された患者の氏名、用法、用量

その他・・・を記載しなければ」なりません。

 

従って

調剤した薬剤のみを交付してはいけません。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 4 ですが

処方せんの有効期限が

切れている可能性があります。

疑義照会を行い

有効期限を確認しなければなりません。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 は、正しい記述です。

 

公的な薬剤師登録名簿を確認することで

免許証がなくても薬剤師であることは確認できるため

再交付申請中であっても調剤して問題がないと考えられます。

 

 

以上より、正解は 3,5 です。

 


 

145

 

麻薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.ジアセチルモルヒネを輸入する場合、その都度、都道府県知事の許可を得なければならない。

2.麻薬処方箋には、麻薬施用者の免許証の番号が記載されていなければならない。

3.麻薬を用いた研究を行うには、都道府県知事から麻薬研究者の免許を受けなければならない。

4.ジヒドロコデインリン酸塩を10%含有する散剤は家庭麻薬に該当する。

5.治療のため、麻薬を施用中の患者が外国に旅行する場合、麻薬の輸出ができないため処方変更が必要になる。

 

 

正解 (2)(3)

 

選択肢 1 ですが

ジアセチルモルヒネは、別名ヘロインです。

特に厳しい規制が敷かれている麻薬です。

何人も輸出入禁止です。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2,3 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 4 ですが

1 %「以下」のジヒドロコデインは

家庭麻薬という分類です。

※紛らわしいが、麻薬ではない。

 

従って、10% 含有であれば

家庭麻薬ではありません。

ちなみに、麻薬に該当します。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 ですが

事前に麻薬携帯輸出許可を得る

必要があります。

処方変更が必要になるわけではありません。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 2,3 です。

 

 

参考 法規まとめ 1-3 1)

 


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