問164
抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.パクリタキセルは、チューブリンの重合を阻害することで有糸分裂を抑制する。 2.ブレオマイシンは、活性酸素を発生させ、DNA鎖を切断する。 3.ボルテゾミブは、プロテアソームを活性化することで転写因子NF-κBの活性化を阻害する。 4.ラムシルマブは、VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体である。 5.カルボプラチンは、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体である。
正解 (2)、(4)
選択肢 1 ですが パクリタキセル(タキソール)は タキサン系抗がん剤です。
微小管に結合して安定化させ 「脱重合を阻害」することにより 腫瘍細胞の分裂を阻害します。 「重合」を阻害ではありません。 よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい記述です。
選択肢 3 ですが ボルテゾミブは、プロテアソーム阻害薬です。 プロテアソームを活性化するわけでは、ありません。 よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい記述です。 VEGFをターゲットとしている薬としては 他にベバシズマブ(アバスチン)や アフリベルセプト(ザルトラップ)があります。
選択肢 5 ですが トラスツズマブ(ハーセプチン)についての記述です。 カルボプラチンはプラチナ製剤です。 アルキル化剤の一種です。 よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。 |