国試103回 解説174



174

 

固形製剤中における医薬品の分子集合体の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.結晶多形間では、結晶構造は異なるが真密度は等しい。

2.医薬品の結晶形は変化せず結晶表面に水分が吸着したものを水和物という。

3.非晶質(アモルファス)状態の医薬品を高湿度下に保存したとき、水分の収着によって結晶化することがある。

4.シクロデキストリンによる包接化には、医薬品の安定性を改善する効果はない。

5.医薬品を分子状態で水溶性高分子に分散させた粉体から医薬品を溶出させるとき、医薬品のみかけの溶解度が過飽和を示すことがある。

 

 

正解 (3)(5)

 

選択肢 1 ですが

結晶多形とは

同一化学物質で、結晶構造の

異なるもののことです。

 

密度、融点、溶解度などの

物理化学的性質が変化します。

真密度が等しいとはいえません。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 ですが

水和物とは

水分子を取り込んだ結晶です。

「表面に吸着」ではありません。

 

 

選択肢 3 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 4 ですが

アルプロスタジルアルファデクスなど

医薬品の安定性を改善した例があります。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 は、正しい記述です。

 

 

以上より、正解は 3,5 です。

 

 

参考 製剤学 1-3 5)


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