問182
65歳女性。脳血管疾患の既往無し。数年前より軽度認知障害があり、CT検査で大脳皮質の萎縮が認められ、アルツハイマー病と診断された。 下記の処方で服薬は正しくなされていた。最近、見当識障害や判断能力が悪化し、日常生活に介助が必要となることが多くなったため、心配した家族に同伴されて病院を受診した。 本患者の今後の薬物治療方針として正しいのはどれか。2つ選べ。
(処方) ドネペジル塩酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 28日分
1.ドネペジル塩酸塩の増量 2.リバスチグミンの併用 3.ガランタミン臭化水素酸塩の併用 4.メマンチン塩酸塩の併用 5.メチルフェニデート塩酸塩の併用
正解 (1)、(4)
選択肢 1 は、正しい記述です。 ドネペジルは、まず副作用回避の目的で 3mg から投与しますが、その後 5mg に増加し さらに 10mg まで増量できます。 最近悪化している傾向が見られるため 妥当な方針といえます。
選択肢 2,3 ですが リバスチグミンは 商品名イクセロンパッチのことです。 ガランタミンは、レミニールのことです。
共に、ドネペジルと同じ機序である AchE 阻害剤です。 AchE阻害剤は、併用では用いられません。 よって、選択肢 2,3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい記述です。
メマンチン(メマリー)は NMDA 受容体遮断薬です。
中等度から高度 アルツハイマー型認知症の 適用をもつ薬剤です。 ドネペジルと併用が可能です。
選択肢 5 ですが メチルフェニデート(リタリン、コンサータ)は ナルコレプシー(病的眠気)や 注意欠陥/多動性障害(ADHD) に用いられる薬です。
以上より、正解は 1,4 です。
類題 99-256 |