問183
ネフローゼ症候群の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.低アルブミン血症が認められる。 2.食事療法は高タンパク食を基本とする。 3.浮腫の改善にはアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬が用いられる。 4.血液凝固能亢進の改善の第一選択薬として、アスピリンが用いられる。 5.ステロイド抵抗性を示す場合は、免疫抑制薬が併用される。
正解 (1)、(5)
ネフローゼ症候群とは 高度のタンパク尿により 低タンパク血症を来す状態の総称です。 臨床的には むくみ(浮腫)が認められます。
選択肢 1 は、正しい記述です。 アルブミンは、血中タンパク質の一種です。
選択肢 2 ですが タンパク質を分解した時に出てくる 尿素窒素等の窒素化合物の処理が 腎臓の負担となります。
そのため 「低」タンパク食が基本です。 「高」タンパク食ではありません。 よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが 浮腫の改善には ステロイド、ACE阻害薬等が用いられます。 ATⅡ受容体拮抗薬ではありません。 よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが ヘパリンやワーファリンが用いられます。 アスピリンではありません。 よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。 シクロスポリン、タクロリムス、ミゾリビンなどが 用いられます。
以上より、正解は 1,5 です。
参考 病態3-1 3) |