問184
40歳女性。丸顔と中心性の肥満を伴った高血圧症と糖尿病の患者。二次性高血圧の精査のため受診したところ、早朝空腹時の血中ACTHとコルチゾールの高値を認めた。 そこで入院の上、就寝前に0.5mgのデキサメタゾンを内服して翌朝の血中コルチゾールを測定したところ12μg/dLであった。 翌日、就寝前に8mgのデキサメタゾンを内服して、その翌朝に血中コルチゾールを測定すると3μg/dLであった。 本症例の病態として適切なのはどれか。1つ選べ。
1.クッシング病 2.異所性ACTH産生腫瘍 3.副腎腺腫 4.副腎癌 5.副腎皮質過形成
正解 (1)
丸顔、中心性の肥満などが特徴的で クッシング症候群が連想されます。 「ステロイドの副作用で ムーンフェイスとか、肥満があったよね」 ぐらいで十分な連想ではないでしょうか。
※クッシング症候群 というのは 慢性的に糖質コルチコイドが出ていることの総称です。 何らかの具体的疾患名ではないことに注意です。
行われている試験は デキサメタゾン大量投与により コルチゾール分泌の抑制が 見られるかどうかの試験です。 見られると、クッシング病と考えられます。
抑制が見られない場合は 副腎腺腫や、副腎癌 異所性ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)産生腫瘍 などと考えられます。
以上より、正解は 1 です。
ちなみに 選択肢 5 の副腎皮質過形成は 副腎のサイズが大きくなっている状態のことです。 先天性副腎皮質過形成などが 知られています。
類題 96-190,101-58 |