国試103回 解説204,205



204205

 

インフルエンザ流行時には、多くの患者が診察に訪れ、判定用キットによる検査が行われる。

 

204

 

図はインフルエンザウイルス抗原を測定するためのイムノクロマトグラフィーの原理を表している。

本法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

 

 

1.本法を用いた判定用キットは体外診断用医薬品に区分され、測定試料として鼻腔ぬぐい液や咽頭ぬぐい液などが用いられる。

2.本法による判定は目視で行うことができるため、特別な装置を必要としない。

3Aの部分はコントロールラインとよばれ、標識抗体に特異的な抗体①が固定化されている。

4Aで発色が認められ、Bで発色が認められなかった場合は陽性とはいえず、再測定する必要がある。

5.標識抗体は、金コロイドや酵素などにより標識されている。

 

 

正解 (3)

 

測定の原理は抗原抗体反応です。

ウイルス抗原があると、色のついた線が出ます。

発色は、金コロイドや酵素反応などによります。

 

 

選択肢 1,2,4,5 は正しい記述です。

 

 

選択肢 3 ですが

コントロールラインとは

試験が正常に機能しているかを

確認するラインのことです。

試料の展開方向、一番最後のラインです。

 

つまり、本問の図であれば

のことを意味します。

Aの部分ではありません。

 

選択肢 4 にもあるように

例え A で発色が見られても

の発色が認められない場合は

試験自体に何か不備があるかもしれないので

再測定を行います。

 

 

以上より、正解は 3 です。

 

 

 

205

 

あるインフルエンザ判定用キットは、表のような結果を与えた。

 

 

このキットの感度と特異度の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。

 

 感度(%)  特異度(%)

180.0    98.0

288.0    97.1

390.9    95.2

495.2    90.9

598.0    80.0

 

 

正解 (1)

 

まず感度ですが

125 人インフルエンザのヒトがいて

検査をくぐりぬけた

つまり、陰性だったにも関わらず

インフルエンザにかかっていたヒトは 25 人なので

100/125 × 100 = 80% の感度です。

よって、正解は 1 です。

 

 

ちなみに特異度とは

「陰性を正しく陰性と判断する可能性」です。

陰性患者 510 人中 500 人が

検査で陰性だったのだから

500/510 × 100 ≒ 98 % です。


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