国試103回 解説238,239



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40歳女性。身長156cm。体重65kg。会社を経営し、ストレスを感じている。食生活も不規則で、運動もほとんどしない。

最近、急に便秘がひどくなり、お腹が張るようになった。

両親とも大腸がんで亡くなっていることから心配になり、相談のため薬局を訪れた。

 

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大腸がんの検査について薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2選べ。

 

1.年齢を考癒すると定期的な検査が必要です。

2.大腸がんの検査では、通常、まず遺伝子診断が行われます。

3.早期の大腸がんは症状がなく、早期発見には便潜血検査が有効です。

4.大腸内視鏡検査では、結腸は調べられますが、直腸は調べられません。

5.大腸がんの血液検査では、腫瘍マーカーとして、AFP(α-フェトプロテイン)を調べます。

 

 

正解 (1)(3)

 

選択肢 1 は、正しい記述です。

40 歳から、定期検査が推奨されます。

 

 

選択肢 2 ですが

通常、まずは便潜血検査が行われます。

遺伝子診断ではありません。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 4 ですが

内視鏡検査では

結腸、直腸共に検査します。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 ですが

AFPは、肝臓がんの腫瘍マーカーです。

大腸がんの腫瘍マーカーではありません。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

 

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大腸がんの発症リスクに関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.親や兄弟などに大腸がんの人がいる場合、発症リスクが高い。

2.肥満は、発症リスクを上げる。

3.ベーコンなどの加工肉の摂取は、発症リスクを下げる。

4.魚由来の不飽和脂肪酸の摂取は、発症リスクを上げる。

5.運動習慣の有無は、発症リスクに影響しない。

 

 

正解 (1)(2)

 

選択肢 1,2 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 3,4 ですが

ベーコンなどの加工肉摂取は

発症リスクを「高める可能性」があります。

また、魚由来の不飽和脂肪酸摂取が多い方が

発症リスクが「低くなる可能性」があります。

 

加工肉が発症リスクを「下げる」 及び

不飽和脂肪酸の摂取がリスクを「上げる」 

という記述は少なくとも明らかに誤りです。

 

 

選択肢 5 ですが

大腸がんは

運動習慣によりリスクが低下する 

という知見が集積しています。

 

少なくとも「影響しない」という記述は

明らかに誤りと考えられます。

 

 

以上より、正解は 1,2 です。


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