問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述のうち 正しいものの組合せはどれか。 ![]() a R 配置の不斉炭素が存在する。 b ア~エの窒素のうち 最も塩基性が強い窒素はアである。 c ウの窒素の非共有電子対(孤立電子対)は p 軌道に存在する。 d 植物アルカロイドであるカンプトテシンの誘導体である。 1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d) 6(c、d) 記述 a ですが、不斉炭素は 右下の OH 基がついている炭素です。 不斉炭素周辺を切り取ったイメージが 以下になります。 一番優先度の低い CH3 基で終わっている炭素を目線上におき 天の方に OH が来るように 少しだけ回転させたら、以下のように見えるはずです。 すると、優先度の高い方から左回りなので R 配置ではなく、S 配置です。 よって、記述 a は誤りです。 記述 b ですが イ と エ の N は、アミド(N-C = O)の N なので 反応性が低く、塩基性も低いと考えられます。 ア と ウ の N ですが ア が、sp3 の窒素、ウが sp2 の窒素なので アの方が、塩基性が高いと考えられます。 よって、記述 b は正しいです。 記述 c ですが ウの窒素の非共有電子対は sp2 軌道に存在すると考えられます。 p 軌道ではありません。 (ちなみに、非共有電子対が p 軌道に存在するのは アの窒素やイの窒素です。) 記述 d ですが イリノテカンは、カンプトテシンの誘導体です。 又、カンプトテシンは、クサミズキなどに含まれる 植物アルカロイドです。 よって、記述 d は正しいです。 以上より、正しいものの組み合わせは (b , d)です。 正解は 5 です。 問題へ戻る |