問96-13 解説





問13

図は日本薬局方医薬品

アミノ安息香酸エチルの合成法を示したものである。

この合成法に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。


 a 反応Wは、ベンゼン環に対するニトロ基の付加反応である。

 b 化合物Bは、ニトロベンゼンをAlCl存在下、塩化メチルで処理しても合成できる。

 c 反応X は酸化反応であり、反応Yは還元反応である。

 d 反応Zは、SN2 反応の機構で進行する。

 e 化合物Eの矢印で示した酸素原子は、エタノール由来である。


   a  b  c  d  e
 1 正 正 誤 誤 正
 2 正 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤 正
 4 誤 正 正 正 誤
 5 正 誤 誤 正 誤
 6 誤 正 誤 正 正



記述 a ですが、これは置換反応です。
付加反応ではありません。
※多重結合の結合数が変わっていないため、置換と判断できます。


記述 b ですが
ニトロベンゼンなら、m-配向性 なので
p-ニトロトルエンは、できません。

以上より、a,b が誤 なので、正解は 3 です。



ちなみに、記述 d ですが
これは付加脱離反応です。SN2 では、ありません。



参考)
(基本的な有機反応の概説)

(反応性・配向性に及ぼす置換基の効果)