問15 D-アラビノースに反応 I ~ III を行い、アルドヘキソースAとBに変換した。これに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 ![]() 反応 I D-アラビノースをHCNと反応させると、2種類のシアノヒドリンCとDが得られた。 反応 II CとDをそれぞれ対応するイミンEとFに変換した。 反応 III EとFをそれぞれ対応するアルドヘキソースAとBに変換した。 a 反応Iは置換反応である。 b 反応IIは酸化反応である。 c 反応IIIは加水分解反応である。 d AはD-グルコースである。 1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d) 6(c、d) まず、反応ⅠではD-アラビノースとHCNとの反応でCとDが生成しますが、これらは以下の構造となります。 続いて反応Ⅱではシアノ基の部分を変換し、イミンとします(EとF)。 最後に反応ⅢではイミンE、Fを、それぞれ問題文にあるアルドヘキソースA、Bにしています。 以上を踏まえて、説明文の検証に入ります。 a について、反応Ⅰは置換反応ではありません。 上記の反応式を見てもわかる通り、これはアラビノースにHCNがくっついてできるので、付加反応です。 b について、反応Ⅱは酸化反応ではありません。 上記の反応式の通り、これは水素が加わる反応なので、還元反応です。 c について、これはイミンと水との反応でアンモニアが脱離する反応なので、加水分解で合っています。 d について、化合物AはD-グルコースです。 D-グルコースかL-グルコースかを見分けるコツとして、5位(下から2番目)の炭素につく-OH基が右側にあればD体です。 |