問16 フッ化水素と水に関する記述の正誤について 正しい組合せはどれか。 a フッ素原子の電気陰性度は 酸素原子の電気陰性度より大きい。 b F-H・・・F の水素結合は O-H・・・O の水素結合より強い。 c 液体のフッ化水素で形成される 1分子当たりの水素結合の数は 水で形成される1分子当たりの水素結合の数より多い。 d フッ化水素の沸点は、水の沸点より高い。 a b c d 1 正 正 正 誤 2 正 正 誤 誤 3 誤 正 誤 正 4 正 誤 正 誤 5 誤 誤 正 正 6 誤 誤 誤 正 記述 a ですが 電気陰性度とは、原子の、電子をひっぱる強さの指標です。 全ての原子の中では、F (フッ素)が最大(4.0)です。 周期表において、右上ほど、大きい傾向があります。 酸素(O)の電気陰性度は 3.5 です。 よって、記述 a は正しいです。 記述 b ですが F の方が、電気陰性度が高いため より電子を引っ張ることで 分子内に、電荷の偏りが大きくできます。 (大きな分極が生じます。) すると、F-H・・・F の水素結合の方が より大きな電荷同士の、引きつけあう力なので 大きな力となります。 よって、記述 b は正しいです。 記述 c ですが 水素結合は、分子中の水素と 他の分子中の F や O との間における結合です。 フッ化水素は、化学式が HF なので 分子中に H は1個です。 一方、水は、化学式が H2O なので 分子中に H は2個です。 つまり、1分子あたりの水素結合の数は 水の方が多いです。 よって、記述 c は誤りです。 記述 d ですが フッ化水素の沸点は、約 20 ℃です。 一方、水の沸点は、約 100 ℃です。 (ちなみに、この違いは 一つの水素結合の強さの違いよりも 一分子あたりの水素結合の数が 沸点により大きく寄与していることを |