問96-17 解説


問17

屈折率、旋光度及び円二色性(CD)に関する記述のうち
正しいものの組合せはどれか。

a 屈折率は、一定温度、一定圧力では物質に固有の値であり
測定波長を変えても変わらない。

b 旋光度は、測定波長により変化する。

c 旋光度は、光学活性物質の純度試験や定量に利用される。

d CDスペクトルからタンパク質の一次構造情報が得られる。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 
4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)



記述 a ですが
屈折率は、波長によって、変わります。


これは例えば、波長の違う光として
可視光線と、X線を考えて、人体に照射した場合に
可視光線だと通過しない けれど
X 線なら通過する といった現象を考えると
よいのではないかと思います。


よって、記述 a は誤りです。



記述 b ですが
旋光度とは、光の振動面が、物質を透過させた時に
どれくらい回転するかを示す指標です。
温度や波長に依存します。


よって、記述 b は正しいです。



記述 c ですが
旋光度を測定することにより
光学活性物質の純度や、量を測定することが
できます。


よって、記述 c は正しいです。



記述 d ですが
CD スペクトルとは
円二色性スペクトルのことです。


二種類の光を照射し
試料を通過させて、透過光を測定し
二種類の光の変化を見ることで
物質の内部構造に関する情報を
得ることができます。


具体的には、タンパク質やDNAの
2次構造以上についての
情報を得ることができます。


ちなみに、タンパク質の一次構造とは
アミノ酸配列のことです。
これは、CDスペクトルでは、わかりません。


よって、記述 d は誤りです。



以上より、正しいものの組み合わせは
(b , c)です。


正解は 4
です。



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