問96-21 解説



問21

コロイド分散系に関する記述のうち
正しいものの組合せはどれか。

a コロイド粒子のブラウン運動は
コロイド粒子どうしの無秩序な衝突によって起こる。

b 少量の電解質を添加すると
疎水コロイドが凝集し沈殿するのは
コロイド粒子間の静電的反発力が増加するためである。

c 限外顕微鏡は
コロイド粒子のチンダル現象を利用したものである。

d タンパク質などの親水コロイドは
アルコールなどの脱水剤や少量の電解質を添加すると
凝集し沈殿する。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 
4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)


記述 a ですが
ブラウン運動とは
分散媒粒子の熱運動により
コロイド粒子が不規則な運動をする
現象のことです。

コロイド粒子どうしの衝突では、ありません。


記述 a は誤りです。



記述 b ですが
コロイド粒子間の静電気反発力が増加すると
コロイド同士がくっつきにくくなるため、凝集して沈殿しません。
よって、記述 b は誤りです。



記述 c はその通りの記述です。


限外顕微鏡とは
微粒子に対して、特殊な照明装置により、光を当てて
その散乱光により
微粒子の存在や状態を知る顕微鏡のことです。


チンダル現象とは
コロイド溶液に光を入射すると
光の散乱に指向性が生じ
光の通路が見える現象です。


限外顕微鏡では、チンダル現象を利用して
散乱光から微粒子の存在や状態を知ります。


よって、記述 c は正しいです。



記述 d ですが
親水コロイドは
アルコールを加えたり
多量の電解質を添加すると、凝集、沈殿します。
少量では、凝集、沈殿しません。


よって、記述 d は誤りです。


正しいものは c のみです。


この問題は、解なしです。



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