問96-22 解説



問22

化学反応に関する記述のうち
正しいものの組合せはどれか。

a 0次反応の反応速度定数の次元は
濃度・時間-1 である。

b 可逆反応において
正反応と逆反応の反応速度定数は常に等しい。

c 触媒の添加で反応速度が大きくなるのは
反応の活性化エネルギーが低下するからである。

d 活性化エネルギーが大きいと
その化学反応は吸熱反応となる。

1(a、b) 
2(a、c) 3(a、d) 
4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)



記述 a ですが
0 次反応の反応速度の公式は



です。

よって、反応速度定数 k について解くと


です。 

分子は濃度、分母は時間なので
次元は濃度・時間-1 です。


よって、記述 a は正しいです。



記述 b ですが
正反応と逆反応の反応速度定数の比が
平衡定数です。


平衡定数は、温度によって変化するため
反応速度定数がもしも常に等しければ
平衡定数は、変化しない、ということになります。


よって、記述 b は誤りです。



記述 c ですが
これは、この通りの記述です。


触媒の添加により
反応の活性化エネルギーが下がります。


補足:活性化エネルギ-のイメージについて

イメージとしては
反応が進行することを、定期試験をパスして単位を得ること
活性化エネルギーの高さとは、赤点になる最低ラインの点数
と考えた時に
触媒を加えるということは、赤点になる最低ラインの点数が60点から30点
に下がるようなことです。
すると、試験が通過しやすくなり、どんどん、たくさんの人が単位を得ます。

補足 終わり



よって、記述 c は正しいです。



記述 d ですが
活性化エネルギーは、吸熱反応か発熱反応かに
関与しません。
つまり、活性化エネルギーが大きいからといって
その化学反応が吸熱反応であるとは、限りません。


よって、記述 d は誤りです。



以上より、正しい組合せは
(a , c)です。


正解は 2
です。



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