問96-25 解説



問25

粉末X線回折測定法に関する記述のうち
正しいものの組合せはどれか。

a 無配向化した粉末試料にX線を照射し
その物質中の原子核を強制振動させることにより生じる
干渉性散乱X線による回折強度を
各回折角について測定する方法である。

b X線の波長をλ、面間隔をd
結晶の入射角及び反射角をθ、反射次数をηとすると
2 d cosθ=ηλを満たす角度でのみ
X線回折が生じる。

c 結晶、結晶多形及び
溶媒和結晶の同定、判定、定量などに用いることができる。

d 明確な構造の規則性をもたない非晶質や
結晶性の著しく低下した試料の場合
そのX線回折パターンは散漫性の極大をもつハローパターンを示す。


1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 
4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)



記述 a ですが
X線回析の原理は
X線を照射して、試料の電子による散乱、干渉した結果を測定する
というものです。

原子核を強制振動させることにより生じる
干渉性散乱X線を測定するものではありません。


よって、記述 a は誤りです。



記述 b ですが
X線回析が生じる条件についての式を
ブラッグの式と呼び、以下の式になります。



cos θではなく、 sin θです。


よって、記述 b は誤りです。



記述 c ですが
これは、その通りの記述です。


よって、記述 c は正しいです。



記述 d ですが
これは、その通りの記述です。


よって、記述 d は正しいです。



以上より、正しい組み合わせは
(c , d)です。


正解は 6 です。



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