問97-56~97-70 解説一覧



問56

肝細胞癌の腫瘍マーカーとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 1 AFP (α-fetoprotein)
 2 CA 19-9 (carbohydrate antigen 19-9)
 3 PSA (prostate specific antigen)
 4 CYFRA 21-1 (cytokeratin 19 fragment)
 5 SCC (squamous cell carcinoma related antigen)

AFPは、肝臓がんになると増加する腫瘍マーカーです。
よって、正解は 1 です。

ちなみにCA 19-9は、消化器がん、とくに膵臓がんに特異性の高い腫瘍マーカーです。
又、肺がん、乳がん、卵巣がんなどでも高値を示します。

PSAは、前立腺がん、前立腺肥大症により増加する腫瘍マーカーです。

CYFRA 21-1は、非小細胞肺がん(特に扁平上皮がん)により増加する腫瘍マーカーです。

SCCは、CYFRA 21-1と同じく、扁平上皮がんにより増加する腫瘍マーカーです。


問57
高LDLコレステロール血症に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

 1 食事直後に血清LDLコレステロール値が上昇する。
 2 血清がクリーム状である。
 3 LDL受容体機能不全が原因となる。
 4 冠動脈疾患の危険因子とはならない。
 5 甲状腺機能亢進症に合併する。


コレステロールの吸収を大まかにまとめると、以下の図のようになります。





※TG=中性脂肪 C=コレステロール

コレステロールは、肝臓に運ばれるまではあくまでもリポタンパク質として運ばれるため、血清LDLコレステロール値は食事直後であってもほぼ変化しません。

又、コレステロールだけが高い人の血清は、透明です。いわゆるドロドロの、クリーム状の血清となるのは、中性脂肪が高い人の血清です。

LDLコレステロール値が高いと、冠動脈疾患のリスクが高くなります。

甲状腺機能亢進症において、コレステロール値は低くなります。これは、甲状腺ホルモンの増加に伴い、代謝が活性化される、つまり、コレステロールの消費が速くなるためです。

以上より、正解は 3 です。


問58
インフルエンザの薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

 1 ザナミビル水和物は、B型の患者に有効である。
 2 アスピリンは、小児の解熱薬として推奨される。
 3 アマンタジン塩酸塩は、B型の患者に有効である。
 4 ニューキノロン系抗菌薬が第一選択薬である。
 5 オセルタミビルリン酸塩は、症状発現直後の使用では有効性がない。

ザナミビル(商品名:リレンザ)は、ノイラミニダーゼ阻害薬です。A型及びB型インフルエンザウイルスに有効です。

よって、正解は 1 です。

ちなみにアスピリンは、15歳未満の小児のインフルエンザによる発熱に対して、原則禁忌です。

アマンタジンは、B型インフルエンザウイルスに対して無効です。

ニューキノロン系抗菌薬は、抗菌薬であり、抗ウイルス薬ではありません。

オセルタミビルリン酸塩は、症状の発現から2日以内に飲み始める必要がある薬です。



問59
アルツハイマー病の病態として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 1 急激に発症する。
 2 安静時振戦が現れる。
 3 まだら認知症を呈する。
 4 幻視がみられる。
 5 初期には短期記憶が障害される。

アルツハイマー病は、進行性の記憶障害です。新しいことを覚えることができない(短期記憶障害)が初期に見られます。

よって、正解は 5 です。

ちなみに、安静時振戦が特徴的な症状として現れるのは、パーキンソン病です。

まだら認知症とは、時間帯によって症状がひどかったり、記憶がかなり失われているのに、判断力や理解力がかなり保たれているといった認知症のことです。脳血管性認知症の特徴です。

幻視は、必ずみられるというわけではありません。


問60
次の抗うつ薬のうち、緑内障を合併している患者に使用できるのはどれか。1つ選べ。

 1 イミプラミン塩酸塩        2 アミトリプチリン塩酸塩
 3 フルボキサミンマレイン酸塩    4 アモキサピン
 5 マプロチリン塩酸塩

緑内障を合併していることから、抗コリン作用を持つ薬は使用できません。

イミプラミン、アミトリプチリン、アモキサピンは、三環系抗うつ薬です。抗コリン作用があります。

マブロチリンは四環系抗うつ薬です。三環系に比べれば軽いのですが、やはり抗コリン作用があり、緑内障患者に使用できません。

フルボキサミンマレイン酸塩は、SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)です。セロトニンの再取り込みを選択的に阻害する薬です。抗コリン作用による副作用がないため、緑内障患者にも使用することができます。

以上より、正解は 3 です。


問61
関節リウマチの治療薬はどれか。1つ選べ。

 1 セツキシマブ    2 インフリキシマブ    3 トラスツズマブ
 4 ベバシズマブ    5 ゲフィチニブ

セツキシマブ(商品名アービタックス)は、上皮成長因子受容体(EGFR)に結合するモノクローナル抗体です。抗がん剤として使用されます。

インフリキシマブ(商品名レミケード)は、抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。関節リウマチ、クローン病などに使用されます。

トラスツズマブ(商品名ハーセプチン)は、ヒトがん遺伝子HER2/neuの遺伝子産物であるHER2タンパクに特異的に結合することで抗がん作用を示す抗がん剤です。

ベバシズマブ(商品名アバスチン)は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)に結合するモノクローナル抗体です。抗がん剤として使用されます。

ゲフィチニブ(商品名イレッサ)は、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼを選択的に阻害する低分子抗がん剤です。非小細胞肺がんに対する治療薬として使用されます。

以上より、正解は 2 です。


問62
統合失調症の陽性症状はどれか。1つ選べ。

 1 思考の貧困    2 自閉       3 妄想
 4 意欲の低下    5 感情の平板化

統合失調症の陽性症状とは、幻覚、妄想、思考障害、強いイライラや激しい興奮といった症状のことです。

よって、成果は 3 です。

ちなみに、その他の選択肢のような症状は陰性症状と呼ばれます。


問63
糖尿病患者で心不全を併発した場合に禁忌となる医薬品はどれか。1つ選べ。

 1 グリメピリド         2 ナテグリニド
 3 ボグリボース         4 ピオグリタゾン塩酸塩
 5 アログリプチン安息香酸塩

糖尿病治療薬において、心不全時に禁忌となる医薬品は、メトホルミンとピオグリタゾンです。

以上より、正解は 4 です。


問64
糖尿病の三大合併症に該当するのはどれか。1つ選べ。

 1 結膜炎   2 角膜炎   3 黄斑変性症   4 網膜症   5 緑内障


糖尿病の三大合併症とは、網膜症、腎症、神経障害の三つです。

以上より、正解は 4 です。


問65
癌化学療法において、制吐に用いられる医薬品として、適切なのはどれか。1つ選べ。


 1 ブロモクリプチンメシル酸塩     2 ランソプラゾール
 3 ラニチジン塩酸塩          4 スクラルファート水和物
 5 アプレピタント


ブロモクリプチンメシル酸塩は、プロラクチンの分泌を抑える薬です。高プロラクチン血症に用いられる薬です。又、麦角アルカロイドの一種であり、パーキンソン病治療にも用いられる薬です。

ランソプラゾールは、プロトンポンプ阻害薬です。胃酸の分泌を抑える薬です。胃潰瘍や逆流性食道炎の治療に用いられる薬です。

ラニチジンは、H2拮抗薬です。胃酸の分泌を抑える薬です。胃炎や胃潰瘍の治療に用いられる薬です。

スクラルファートは、粘膜保護剤です。胃炎や胃潰瘍の治療に用いられる薬です。

アプレピタントは、NK1受容体拮抗型制吐薬です。抗がん剤による吐き気や嘔吐を抑える薬です。急性期だけでなく、遅発性嘔吐にも有効です。

以上より、正解は 5 です。


問66
医薬品の妊婦に対する投与の可否を検討する資料として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 1  Index Medicus
 2  Drug Interaction Facts
 3  Drugs in Pregnancy and Lactation
 4  Meyler's Side Effects of Drugs
 5 Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics

Index Medicusとは、主題や著書名から文献を検索する時に使用する資料です。

Drug Interaction Factsとは、薬物の相互作用について調べる時の資料です。

Drugs in Pregnancy and Lactationは、妊娠中及び授乳期の薬物に関する文献を包括的に要約した資料です。

Meyler's Side Effects of Drugsは、医薬品の副作用及び相互作用に関する資料です。

Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeuticsは、薬理学の教科書です。

以上より、正解は 3 です。


問67
医薬品の安定性に関して最も詳細な情報が得られるのはどれか。1つ選べ。

 1 医療用医薬品添付文書        2  Drug Safety Update
 3 医療用医薬品製品情報概要      4 医薬品・医療機器等安全性情報
 5 医薬品インタビューフォーム


医薬品に関する情報源として、唯一法的根拠のある情報源が添付文書です。しかし、紙面の量的限界などから、臨床に必要ではあるけれど記載されていない情報があります。適応外使用、外国での用法用量、非臨床試験の結果、物理化学的性質などが、記載されていません。

これらの情報を補うために、日本病院薬剤師会が製薬企業に制作を依頼しているのが、インタビューフォームです。

ちなみに、Drug Safety Update(DSU)は、医薬品安全対策情報です。医療用医薬品添付文書の使用上の注意の改定情報が記載されています。

医療用医薬品製品情報概要とは、別名パンフレットと呼ばれているものです。医薬品を適正に使用してもらうために作成された、医薬品の普及・宣伝の目的もある印刷物のことです。

医薬品・医療機器等安全性情報とは、厚生労働省が収集した副作用をもとに行った重要な添付文書の改訂などを、医療関係者に直接提供するために発行される文書です。

以上より、正解は 5 です。


問題志向型システム (POS) の説明として、適切なのはどれか。1つ選べ。

 1 処方設計支援システムの一部である。
 2 EBMで問題点を定式化する際の手法の1つである。
 3 服薬遵守のための方法論である。
 4 患者の抱える医療上の問題に焦点をあてる問題解決法である。
 5 臨床研究の計画を決定するために必要な手法である。


問題志向型システムとは、患者さんの視点に立って、患者さんの問題を解決するということです。
よって、正解は 4 です。


問69
遺伝子多型がワルファリンの薬効に最も影響する薬物代謝酵素はどれか。1つ選べ。

 1 CYP1A2  2 CYP2C9  3 CYP2C19 
 4 CYP2D6  5 CYP3A4


ワルファリンの薬効に遺伝子多型が影響する薬物代謝酵素は、CYP2C9及び、VKORC1です。

よって、正解は 2 です。

ちなみにVKORC1とは、ビタミンKエポキシド還元酵素です。血液凝固に関与しているビタミンKに作用するタンパク質です。


加齢に伴い増大するのはどれか。1つ選べ。

 1 肺活量
 2 体脂肪率
 3 腎血漿流量
 4 胃酸分泌量
 5 血漿中アルブミン濃度

加齢に伴い、物質の代謝、合成量や、機能は衰えます。

肺活量は、減少します。

体脂肪率は、加齢により基礎代謝量が減少することに伴い、増加する傾向にあります。

腎血漿流量、胃酸分泌量、血漿中アルブミン濃度は、減少します。

以上より、正解は 2 です。