問97-11~問97-15 解説一覧




問11

ホルモンとその作用との対応のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

 1 ガストリン -------------- 胃酸分泌の抑制
 2 セクレチン -------------- HCO3−を多く含む膵液の分泌促進
 3 カルシトニン ----------- 血中Ca2+ の減少
 4 インスリン -------------- 血中グルコースの減少
 5 アルドステロン --------- 腎臓におけるNa+ 及びCl− の再吸収促進


ガストリンは、胃幽門部(出口の方)G細胞から分泌されるホルモンで、胃酸分泌を促進し、消化を助けます。

セクレチンは、十二指腸のS細胞から分泌されるホルモンで、膵液の分泌を促進させるホルモンです。

カルシトニンは、血中のCa2+濃度を低下させるホルモンです。分泌は甲状腺傍ろ胞細胞が行います。Ca2+濃度の低下は、骨吸収(骨=Ca貯蔵庫から血中へのCa移動)の抑制により実現されます。

インスリンは、血糖が上がった時に分泌されるホルモンで、血中グルコース濃度を減少させます。

アルドステロンは、腎臓の遠位尿細管においてNa+の再吸収を促進させることにより、血中Na+濃度を上昇させるホルモンです。又、遠位尿細管におけるNa+の輸出機構はNa+/Cl-共輸送であるため、Na+の再吸収を促進させることは同時にCl-の再吸収を促進させることになります。

以上により、正解は選択肢 1 です。


参考)生物化学まとめました 3-2 2) 血糖の調節機構
生物化学まとめました 3-4 1) 体液の調節機構
生物化学まとめました 3-5 2) 消化・吸収におけるホルモンの役割
(未公開)


問12
原核生物はどれか。1つ選べ。

 1 赤痢アメーバ  2 黄色ブドウ球菌  3 インフルエンザウイルス
 4 皮膚糸状菌   5 マラリア原虫

生物は、原核生物と真核生物に大別されます。

原核生物に分類される代表的生物は、細菌(大腸菌など)及びラン藻類です。
細菌は、その形から主に、球菌、桿菌、らせん菌に分類されます。
ラン藻類は、主にクロオコッカス目、ユレモ目、ネンジュモ目などに分類されますが、統一された見解が今のところ存在しないようです。


真核生物に分類される代表的生物は、動物、植物、真菌、原虫です。


赤痢アメーバは、アメーバです。アメーバは原生生物の一種です。原生生物とは、真核生物の一種であり、真核生物において動物にも植物にも菌にも属さない生物の総称です。

黄色ブドウ球菌は、細菌です。細菌は原核生物です。

インフルエンザウイルスは、ウイルスです。ウイルスは、生物に分類されません。

皮膚糸状菌は、真菌です。真菌は真核生物です。

マラリア原虫は、原虫です。原虫は真核生物です。

以上より、正解は 2 です。


問13
DNAの構造について、正しいのはどれか。1つ選べ。

 1 構成塩基は、アデニン、グアニン、シトシン及びウラシルである。
 2 アデニンと対をなす塩基はグアニンである。
 3 構成糖としてD-リボースを含む。
 4 ヒトの染色体DNAは環状構造をとる。
 5 生理的条件下では主に右巻きらせん構造をとる。

DNAの構成塩基は、A:アデニン、G:グアニン、T:チミン、C:シトシンです。
AとT、GとCが対をなします。

構成する糖はデオキシリボースです。構成する糖がリボースであるのは、RNAです。

DNA構造は二重らせん構造をとります。
生理的条件下において主に、右向きらせん構造をとります。

以上より、正解は 5 です。


問14
セロトニンの生合成の前駆体はどれか。1つ選べ。

 1 アラキドン酸   2 L-チロシン   3 コリン
 4 L-トリプトファン  5 L-ヒスチジン


アラキドン酸は、エイコサノイド(プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサン等)の前駆体です。
L-チロシンは、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン等)の前駆体です。
コリンは、アセチルコリンの前駆体です。
L-トリプトファンは、セロトニンの前駆体です。
L-ヒスチジンは、ヒスタミンの前駆体です。

以上より、正解は 4 です。


問15
抗原抗体反応を利用した測定法でないのはどれか。1つ選べ。

 1 ラジオイムノアッセイ (RIA) によるホルモンの定量
 2 酵素免疫測定法 (ELISA) によるサイトカインの定量
 3 赤血球凝集反応による血液型判定
 4 ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) 法によるDNAの検出
 5 ウエスタンブロット法によるタンパク質の検出


ラジオイムノアッセイ(RIA:radio immunoassay)とは、放射性同位元素を利用した、抗原抗体反応による微量な抗原の測定法です。

酵素免疫測定法(ELISA:enzyme-linked immunosorbent assay)とは、酵素反応に基づく発色や発光を利用した、抗原抗体反応による微量な抗原の測定法です。

赤血球凝集反応とは、赤血球どうしが互いにくっついて固まりをおこすことです。
赤血球表面の抗原に対する抗体が、複数の赤血球表面抗原と結合することによりおこります。
抗原抗体反応の一種です。

ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)とは、DNAの増幅法です。
酵素反応であり、抗原抗体反応ではありません。

ウエスタンブロット法とは、電気泳動により分離したタンパク質を膜に転写し、タンパク質に対する抗体を用いて検出する手法のことです。

以上により、正解は 4 です。