問97-199 解説


問199

10歳男児。体重30 kg。A群溶連菌咽頭炎の診断を受けた。軽度の腎機能障害あり。ペニシリンアレルギーがあることからエリスロマイシンラクトビオン酸塩注射液が処方された。


(物理・化学・生物)

 エリスロマイシンラクトビオン酸塩注射液の調製に際して、バイアル中の粉末を生理食塩液ではなく、注射用水で溶解させてから使用することになっている。その理由として、正しいのはどれか。

1つ選べ。


 1 食塩存在下では、エリスロマイシンの分解が促進され、力価が低下する。

 2 生理食塩液では塩析が起こるので、エリスロマイシンを溶解させることができない。

 3 生理食塩液は緩衝作用が弱いので、調製液のpHが大きく変動する。

 4 Na+がエリスロマイシンの溶解補助剤と配位結合し、不溶の複合体を形成する。

 5 Clがエリスロマイシンと反応し、力価を低下させる。






エリスロマイシン注射液は、注射用水で 5% 溶液をつくり、これにブドウ糖注射液や
生理食塩液等で希釈します。 

よって、生理食塩液の成分であるNa+やCl-とエリスロマイシンや、溶解補助剤と
反応するわけではありません。

よって、選択肢 1,4,5 は誤りです。


又、3 の前半はその通りですが、注射用水も緩衝作用が強いわけではないので
調製液のpHの変動が理由ではないと考えられます。

よって、選択肢 3 は誤りです。



以上より、正解は 2 です。