問97-203 解説


問203

55歳男性。血液透析を受けている。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症の治療のため、テイコプラニンの投与が開始された。


(物理・化学・生物)

 テイコプラニンの血中濃度の測定には、通常、免疫測定法が利用される。

免疫測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。

2つ選べ。


 1 免疫測定法は、多成分の一斉分析に適している。

 2 ELISA (Enzyme–Linked Immunosorbent Assay)とは、酵素に特異的な抗原を検出・定量する方法である。

 3 通常用いられるのは、IgGクラスの抗体である。

 4 モノクローナル抗体を用いる系では、交差反応性は認められない。

 5 均一系免疫測定法は、B (bound) / F (free)分離を必要としない。






免疫測定法とは、抗原と抗体の反応を利用して測定する方法の総称です。

特徴としては、特異性の高い正確な試験を実施することができる点があげられます。
一成分の分析に適しており、多成分の一斉分析に適してはいません。
よって、選択肢 1 は誤りです。


ELISAとは、酵素タンパクと結合させた抗体を利用した、免疫測定法の一種です。
酵素タンパクは、検出のために結合されており、簡単に蛍光を発色するような酵素などを結合させます。
検出することができるのは、抗体に特異的な抗原です。
よって、酵素に特異的な抗原を検出するわけではないので、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 は、その通りの記述です。
免疫グロブリンは、大きく5つに分類されます。
IgGは、その中でも、血しょう中に最も多い抗体です。


交差反応とは、抗体が、その免疫原とは異なる、別の抗原と結合することです。
これは、モノクローナル抗体を用いる系でも、類似した抗原決定基が存在する場合において
起こりうるので、交差反応性が認められないわけではありません。
よって、選択肢 4 は誤りです。


B/F分離とは、抗体と結合している抗原と、抗体と結合していない抗原を分ける操作です。
この操作を行わないような免疫反応系を、均一系免疫測定法と呼びます。


以上より、正解は 3,5 です。