問97-207 解説



問207

64歳男性。高血圧症と診断された。シュウ酸カルシウム結石による激痛を経験し、再発を恐れている。

 この患者の高血圧を利尿薬で治療するにあたり、医師からの求めに応じて、適切な薬剤の選択と結石の再発予防のための注意点についで情報を提供した。


(物理・化学・生物)

 尿路結石にはシュウ酸カルシウム結石のほかに、リン酸カルシウム結石、シスチン結石などがある。結石の構成成分の化学的性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。


 1 シュウ酸カルシウムを希硫酸に溶解させると、二酸化炭素を発生し分解する。

 2 シュウ酸イオンは2座配位子として金属に配位し、キレートを形成する。 

 3 日本薬局方のpH測定法で規定されるリン酸塩pH標準液のpH値は、シュウ酸塩pH標準液のpH値よりも小さい。

 4 シスチンを酸化するとシステインが生成する。





シュウ酸カルシウムを希硫酸に溶解させると、シュウ酸と、硫酸カルシウムができます。
よって、二酸化炭素は発生しないので、誤りです。
化学式は、以下のようになります。

\mathrm{CaC_2O_4 + H_2SO_4 \longrightarrow H_2C_2O_4 + CaSO_4}


シュウ酸は、2 個のOが電子供与体となる、二座配位子です。
金属に配位し、キレートを形成します。


日本薬局方には、6 種の pH 標準液が記載されています。
pH が低い方から、シュウ酸(pH 1.68 )、フタル酸(pH 4.00)、リン酸(pH 6.88)、ホウ酸(pH 9.22)
炭酸(pH 10.07)、水酸化カルシウム(pH 12.63) 
※温度20℃
です。

よって、リン酸塩 pH 標準液の方が、値が大きいので、選択肢 3 は誤りです。


シスチンとは、2 分子のシステインが、チオール基(-SH 基)の酸化によって
ジスルフィド結合( S - S )を介してつながった構造を持つ化合物です。
シスチンを還元すると、2 分子のシステインが得られます。

よって、シスチンを酸化するとシステインが生成するわけではないので
選択肢 4 は誤りです。



よって、正解は 2 です。