問97-224 解説



問224

72歳女性。肺癌に合併した閉塞性肺炎のため、入院中に抗菌化学療法を受けていた。

高熱と腹痛、頻回の水様下痢などの消化器症状を呈し粘血便が見られたため糞便培養検査を行ったところ

ディフィシル菌 (Clostridium difficil ) 及びその毒素が検出された。


(実務)

上記の症状を起こしやすい化学療法薬はどれか。

2つ選べ。


 1 クリンダマイシンリン酸エステル

 2 アンピシリンナトリウム

 3 ゲンタマイシン硫酸塩

 4 メトロニダゾール





ディフィシル菌はグラム陽性桿菌です。

抗生物質を用いることによる、腸内細菌叢を構成する細菌の構成変化をきっかけに

ディフィシル菌が増殖することにより発症する症状を偽膜性大腸炎と呼びます。

代表的な偽膜性大腸炎の原因としては、アンピシリン、セフェム系抗生物質、クリンダマイシンです。

最近は、他のいくつかの抗生物質でも、同様に偽膜性大腸炎の原因となることがわかってきています。


クリンダマイシンは、リンコマイシン系の抗生物質です。

誤嚥性肺炎などに用いられ、偽膜性腸炎の原因となることが知られています。


アンピシリンナトリウムは、ペニシリン系の抗生物質です。

肺炎などに用いられ、偽膜性大腸炎の原因となることが知られています。


ゲンタマイシンは、アミノグリコシド系抗生物質です。

組織移行性が低く、肺炎にはあまり用いられません。


メトロニダゾールは、ディフィシル菌に対する抗菌薬として用いられる薬です




以上より、正解は 1,2 です。