問97-93 解説


問93
図は、3種類の電解質 (NaOH, CH3COOH, NaCl) 溶液のモル伝導率 (Λ) と濃度 (c) の平方根との関係を示している。図中のa 〜 cと電解質の正しい組合せはどれか。
1つ選べ。


a

b

c

1

NaOH

CH3COOH

NaCl

2

NaOH

NaCl

CH3COOH

3

CH3COOH

NaOH

NaCl

4

CH3COOH

NaCl

NaOH

5

NaCl

CH3COOH

NaOH

6

NaCl

NaOH

CH3COOH





強電解質では、縦軸にΛ、横軸にをとると
直線減少になることが知られています。
これは、コールラウシュの法則と呼ばれます。


3種類の電解質のうち、強電解質(つまり電離度が1に近い。)のは、NaOH、NaClです。
弱電解質(つまり、電離度が小さい)のは、CH
3COOH です。

よって、直線関係になっている、a,b はそれぞれ NaOH か NaCl であり
曲線関係になっている、c は、CH
3COOH です。
 

又、このグラフの y 切片は、c が限りなく 0 に近づいた状態、すなわち
無限希釈状態におけるモル伝導率です。
これは極限モル伝導率(Λ)と呼ばれ、電解質に固有の値です。

そして、Λ は、陽イオン、陰イオンそれぞれの極限モル伝導率の和で表されます。
NaOH と、NaCl は、電離した時の陽イオンは同じであるため、陰イオンの極限モル伝導率によって
y 切片が決まります。


本問では、代表的な陰イオンの極限モル伝導率の
大雑把な順位を知っている もしくは 推測することが求められていると考えられます。

OH- は、陰イオンの中で特に高い極限モル伝導率を持ちます。
そのため、NaOH の方が、Λは高くなります。


よって、
正解は 2 です。



※推測する方法としては、陽イオンの極限モル伝導率についてよく知られている事実である
「H+の極限モル伝導率が、陽イオンの中で特異的に高い」
ことからの推測が有効かと思います。

すなわち、H+がなぜイオン伝導率が高いのかといえば、H+が周囲の水分子間を連鎖的に
とんでいくからと学ぶと思います。

となれば、OHが周囲の水分子の一部として存在している環境において
OH-も、周囲の水分子間を、同様に連鎖的にとんでいくのではないかと推測することで
正答を予測できるのではないかと考えられます。