問97-1~問97-5 解説一覧




問1
希薄溶液の束一的性質でないのはどれか。1つ選べ。

 1 蒸気圧降下  2 凝固点降下  3 沸点上昇
 4 表面張力低下 5 浸透圧


溶液の性質において溶質の種類に依存しない(何が溶けていようが関係ない)性質のことを束一的性質とよびます。

具体的には、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧が挙げられます。これらは、存在する溶質粒子の数のみに依存します。 よって、選択肢1,2,3,5は、束一的性質です。

表面張力の低下は、界面活性剤の添加などによりおきる現象です。
表面張力とは、液体の表面で働く力のことです。
界面活性剤のように、親水性の部分と疎水性の部分が共存する分子は
界面に吸着するため、表面張力が低下します。

以上により、正解は 4 です。



問2
ある化合物の25 ℃における分解が、半減期3日の一次反応に従うとする。この化合物100 mgを6日間、25 ℃で保存したときの残存量として、正しいのはどれか。1つ選べ。


一次反応であるということは、半減期は物質の濃度に依存せず一定です。
よって、3日経つと100mg→50mgと半減し、さらに3日経つと50mg→25mgと半減します。

よって正解は 2 です。


問3
Ag2CrO4の溶解度がS (mol/L) であるとき、溶解度積 (Ksp) と溶解度の関係式として、正しいのはどれか。1つ選べ。


一般に、難溶性電解質を



とおくと、溶解度積Kspは



と表されます。

溶解度と溶解度積の間には、以下のような関係があります。



今回の問題では、M = Ag, X = CrO4, a = 2,  b = 1であるため
溶解度と溶解度積の間には



という関係が成り立つため、正解は 5 です。


参考) 分析化学 1-2 2) 沈殿平衡 (未公開) 



問4
電気泳動において、イオン性物質の移動速度と比例するのはどれか。1つ選べ。

 1 イオン性物質の半径   2 イオン性物質の電荷   3 溶液の粘度
 4 溶液のpH        5 電極間の距離


電気泳動において、物質の移動速度に関しては、以下の式で表わされる関係が知られています。



※v:移動速度
※μ:移動度、E:電場
※Q:イオンの電荷、η:溶媒の粘度、r:イオンの半径
※V:電圧、L:電極間の距離

よって、移動速度vと比例するのは、QおよびVです。
選択肢にあるのは、イオン性物質の電荷なので、正解は 2 です。


参考) 分析化学まとめました 3-2 4) 電気泳動法 (未公開)



問5
紫外可視吸光度測定法において、吸光度と比例するのはどれか。1つ選べ。

 1 透過度       2 透過率      3 試料の濃度
 4 比吸光度の対数   5 モル吸光係数の対数


吸光度とは、透過度の逆数の常用対数のことです。
透過度とは、入射光に対する透過光の強さの割合です。

吸光度は、セルの層の長さ、及び試料の濃度に比例します。
これを式で表すと以下のようになります。これはLambert-Beerの法則と呼ばれます。



※A:吸光度
※k:比例定数,c:濃度,l:層長

よって、吸光度はc、すなわち試料の濃度、および層長に比例します。
選択肢にあるのは試料の濃度なので、正解は 3 です。


参考) 分析化学まとめました 4-1 1) 分光分析法 (未公開)