問97-267 解説




問267

29歳女性。
以下の処方せんを保険薬局に提出し、調剤を依頼した。

 (処方)

   クロルプロマジン塩酸塩錠 12.5 mg 1回1錠(1日3錠)

                     1日3回 朝昼夕食後 7日分


 妊娠時の薬物動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。


 1 薬物のタンパク結合に関与する血清中アルブミン濃度は、非妊娠時に比べて上昇する。

 2 大部分の薬物は、能動輸送により血液胎盤関門を透過する。

 3 胎盤にはシトクロムP450等の薬物代謝酵素が発現し、胎児の未発達な代謝能力を補っている。

 4 胎児のエネルギー源であるグルコースは、胎盤に発現しているグルコーストランスポーターによって母体から供給される。





妊娠中は、循環血液総量が増加します。
血液成分の増加よりも、血しょう成分が増加します。
つまり、血液中の水分が増加しています。
逆にいえば、タンパク質濃度は、減少しています。
よって、血清中アルブミン濃度は、非妊娠時に比べ、一般的に減少します。

選択肢 1 は誤りです。


血液胎盤関門とは、母体から胎児への様々な物質の移行を抑止する関門です。
実体としては、胎盤膜を構成する、細胞の層状構造です。
血液胎盤関門には、様々なトランスポータが発現しており、薬物の胎盤への移行を制御しています。
よって、大部分の薬物は、能動輸送により血液胎盤関門を透過するわけではありません。

選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3, 4 はその通りの記述です。




以上より、正解は 3,4 です。