問97-249 解説



問249

67歳男性。

災害時、救護所に本人のお薬手帳を持参し、医師に処方を求めた。

お薬手帳を確認したところ、エナラプリルマレイン酸塩錠を服用していたことが判明した。

救護所にはエナラプリルマレイン酸塩錠が置いていなかった。


エナラプリルの薬理作用の機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 アンギオテンシン変換酵素を阻害して、アンギオテンシン II の生成を抑制する。

 2 アンギオテンシン II 受容体を遮断して、アンギオテンシン II による血管収縮を抑制する。

 3 キニナーゼ II を阻害して、ブラジキニン量を増加させる。

 4 一酸化窒素合成酵素を阻害して、一酸化窒素の生成を抑制する。

 5 ホスホリパーゼ Aを阻害して、プロスタグランジンの生成を抑制する。






エナラプリルは、ACE 阻害剤です。
すなわち、アンギオテンシン変換酵素を阻害することで、アンギオテンシン II の生成を阻害します。

又、アンギオテンシン変換酵素と、キニナーゼ II は同等の酵素です。
共に ACE 阻害剤によって阻害されます。
キニナーゼ II は、ブラジキニンという9個のアミノ酸からなるペプチドオータコイドを分解する酵素です。
※オータコイドとは、体内で産生され、微量で生理活性を示す、ホルモン及び神経伝達物質以外の総称です。

ACE 阻害剤は、キニナーゼ II を阻害することにより、ブラジキニン量を増加させます。
ブラジキニンは、血圧降下作用を持ちます。


以上より、正解は 1,3 です。