問97-262 解説



問262

56歳男性。

骨髄内臍帯血移植が行われた。

移植後、真菌感染症が疑われ、以下の処方について主治医から医薬品情報管理室に相談があった。


 (処方)

   注射用アムホテリシンBリポソーム製剤 50 mg/バイアル 3バイアル

   注射用蒸留水 36 mL

   ブドウ糖注射液5% 250 mL

          1回 昼 4時間かけて点滴静注


 主治医からの相談に対する医薬品情報管理室の薬剤師の対応として、誤っているのはどれか。

1つ選べ。


 1 添付文書によりアムホテリシンBリポソーム製剤の用法・用量を確認した。

 2 アムホテリシンBリポソーム製剤の調製法と注意点を伝えた。

 3 医薬品適正使用のために、真菌感染症の診断が確定した後で処方するように提案した。

 4 投与中に発熱、悪寒、悪心などが発現した場合、点滴を一時中断し、患者の様子を見るように伝えた。

 5 副作用防止のため、腎機能、肝機能、血清電解質の検査を定期的に行うように提案した。






注射用アムホテリシンBリポソーム製剤(アムビゾーム)は、抗真菌薬として古くから使われる

ポリエン系抗生物質の一つであるアムホテリシンBの副作用を軽減するために開発されたリポソーム製剤です。

とはいえ、様々な副作用が報告されており、定期的血液検査が推奨されています。


この薬は、体重 1 kg 当り、アムホテリシンBとして 2.5mg (力価)を、1日1回、1~2時間以上かけて点滴静注します。

適応により、最大量や、投与スケジュールが異なります。


注射液の調製は、バイアルごとに、注射用水12mLを加え、直ちに激しく振り混ぜます。

そして、フィルターろ過させた液を、5%ブドウ糖注射液に加え、静注用希釈液とします。

希釈には、電解質溶液を使用しないよう、注意が必要です。(濁る場合があるためです)


本注射剤の適応は、幅広い真菌感染症及び、真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症です。

真菌感染症の診断が確定した後で処方する必要があるとはいえません。

よって、選択肢 3 は誤りです。



以上より、正解は 3 です。