問97-265 解説



問265

36歳女性。

術後の病理検査により卵巣癌 Ic 期と診断され、パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法が予定されている。

処方 1 及び 2 は、この化学療法に対する支持療法である。


 (処方1)

   グラニセトロン塩酸塩注射液 3 mg/バイアル 1バイアル

   デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液 6.6 mg/バイアル 3バイアル

     化学療法第1日目 パクリタキセルとカルボプラチンの投与前、点滴静注


 (処方2)

   デキサメタゾン錠 0.5 mg 1回8錠(1日16錠)

     化学療法第2日目及び3日目 1日2回 朝昼食後


 この患者に使用が予定されている薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。

2つ選べ。


 1 パクリタキセルは、微小管の安定化を引き起こし、有糸分裂を阻害する。

 2 カルボプラチンは、癌細胞のDNAを架橋し、増殖を抑制する。

 3 グラニセトロンは、ドパミンD2受容体を遮断し、消化管運動を調整する。  

 4 デキサメタゾンは、タンパク同化作用と鉱質コルチコイド作用が共に強力である。






パクリタキセル(タキソール)は、タキサン系抗がん剤です。
微小管に結合して安定化させ、脱重合を阻害することにより、腫瘍細胞の分裂を阻害します。


カルボプラチンは、プラチナ製剤です。アルキル化剤の一つです。
すなわち、DNAと結合して架橋を生成することにより、がん細胞の増殖を抑制します。
シスプラチンの抗がん活性を弱めることなく、腎毒性などの副作用を回避することを目的として
開発された抗がん剤です。


グラニセトロンは、5 - HT3 受容体拮抗薬です。
化学療法の支持療法に、制吐目的で用いられます。
ドパミンD2受容体を遮断するわけではないので、選択肢 3 は誤りです。


デキサメタゾンは、鉱質コルチコイド作用が極めて少ないことが特徴です。
よって、選択肢 4 は誤りです。



以上より、正解は 1,2 です。