問98-289 解説



問289

68歳女性。体重51kg。副腎皮質ステロイド薬の吸入エアゾール剤で気管支ぜん息の治療を受けていた。
しかし、噴霧と吸気のタイミングを合わせることができず、以下の処方に変更された。

(処方)
パルミコート200μgタービュヘイラー56吸入(注) 1回1吸入
1日2回 朝夕食後 吸入 全1本
(注:ブデソニド1回吸入量200μgのドライパウダー吸入式ステロイド薬)

この症例と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 口腔内カンジダ症の発症に対して注意が必要である。
2 ステロイド薬の投与量から、重症ぜん息症状が持続していると考えられる。
3 ステロイド薬の投与経路を、吸入から内服に変更することにより減量できる。
4 ぜん息発作時には、ロイコトリエン受容体拮抗薬が著効する。
5 インフルエンザの予防のためのワクチン接種は推奨されない。



ブデソニドは、ステロイドです。
吸入により、口腔内に薬剤が残ると、口腔カンジダ症などの副作用がおきうるので
注意が必要です。
具体的には、吸入後のうがいを忘れないように指導する必要があります。


本症例の患者は、処方薬が吸入ステロイドのみであることから、喘息症状はまだ軽度であると考えられます。
更にβ刺激薬などが追加になっている場合は、より重症であると判断します。
よって、選択肢 2 は誤りです。


吸入薬は、直接作用部位に到達するため、少量で有効性を確保できるという長所があります。
よって、吸入から内服に変更することにより減量ができるわけではありません。
選択肢 3 は誤りです。


喘息発作維持に著効するのは、β刺激薬です。
ロイコトリエン受容体拮抗薬は、すでに起こっている喘息発作を寛解する薬剤ではありません。
よって、選択肢 4 は誤りです。


喘息患者は、インフルエンザ重篤化をおこしやすいという統計もあり
インフルエンザワクチンの摂取が推奨されます。
よって、選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1 です。