問112 図は、ある内分泌器官の顕微鏡像をスケッチしたものである。この器官に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。 1 A層から分泌されるホルモンは、腎臓に作用してNa+や水の再吸収を促進し、体液を保持する。 2 B層から分泌されるホルモンには、抗炎症作用、免疫抑制作用がある。 3 C層から分泌される主要なホルモンは、ペプチドホルモンである。 4 皮膚の機能が亢進するとアジソン病になる。 5 髄質を支配する交感神経終末からは、ノルアドレナリンが放出される。 スケッチには、髄質、皮質とある事から、組織は副腎であると考えられます。 副腎皮質から分泌されるホルモンは、多数のステロイドホルモンです。 副腎髄質から分泌されるホルモンは、カテコラミンです。 A層は、球状帯 B層は、束状帯 C層は、網状帯 と呼ばれます。 球状帯から分泌されるのは、主に鉱質コルチコイドです。 腎臓に作用して、Na+や水の再吸収を促進し、体液を保持します。 束状帯から分泌されるのは、主に糖質コルチコイドです。 抗炎症作用や、免疫抑制作用があります。 網状帯から分泌されるのは、主にアンドロゲンです。 よって、ステロイドホルモンであり、ペプチドホルモンではありません。 選択肢 3 は誤りです。 アジソン病とは、副腎皮質ホルモンが何らかの原因で、必要な量を分泌できなくなった状態のことです。 副腎皮質機能低下症とも呼ばれます。 よって、選択肢 4 は誤りです。 ふつう、交感神経終末からは、ノルアドレナリンなどにより神経伝達が行われますが 副腎髄質を支配する交感神経は、少し特殊です。 すなわち、副腎髄質を支配する交感神経は 中枢神経から出たのち、神経節でニューロンを乗り換えることなく 直接副腎髄質へと到達しています。 神経終末では、アセチルコリンを放出します。 (つまり、副腎髄質と、神経細胞は 同じようなこと(アセチルコリンを受け取り、アドレナリンやノルアドレナリンを放出) をやっているということです。) よって、選択肢 5 は誤りです。 以上より、正解は 1,2 です。 |