問98-117 解説


問117

遺伝子工学に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 ヒト皮膚より作製した cDNA ライブラリーには、ヒトゲノムDNA配列のほとんどすべてが含まれる。
2 制限酵素は、特定のDNA塩基配列を認識し切断するエキソヌクレアーゼである。
3 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、標的とするDNA領域を少量の試料から短時間で増幅することができる。
4 DNAの塩基配列決定法には、ジデオキシリボヌクレオチドを用いる方法がある。
5 ヒトの糖タンパク質をコードする遺伝子を大腸菌で発現させると、ヒトと同一のアミノ酸配列及び糖鎖を有する糖タンパク質が合成される。




cDNAとは、mRNAと相補的な塩基配列を持つ一本鎖DNAのことです。
よって、イントロン部分を含まない、エキソン部分のみが含まれます。
そのため、ヒトゲノムDNAの配列のほとんどすべてが含まれるというわけではありません。
選択肢 1 は誤りです。


制限酵素は、特定のDNA塩基配列を認識し切断する
エンドヌクレアーゼです。
すなわち、核酸の途中で働いて切断します。
エキソヌクレアーゼ、すなわち、鎖の端っこから分解する酵素ではないので
選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3,4 はその通りの記述です。


タンパク質合成後の糖鎖修飾は、種によって異なります。
よって、ヒトの糖タンパク質をコードする遺伝子を大腸菌で発現させると
アミノ酸配列は同じですが、糖鎖は異なる糖タンパク質が合成されると考えられます。
選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 3,4 です。