問98-16~98-25 解説一覧



問16

n-3 系脂肪酸はどれか。
1 つ選べ。

1 リノール酸
2 オレイン酸
3 アラキドン酸
4 α-リノレン酸
5 γ-リノレン酸



n - 3 系 脂肪酸とは、不飽和脂肪酸のうち、メチル基末端から数えた時の最初の二重結合が
メチル基から数えて 3 つ目の炭素にある脂肪酸のことです。ω- 3 系脂肪酸とも呼ばれます。
代表例は、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸です。


代表的な不飽和脂肪酸としては、n - 6 系も存在します。
代表例は、2価、C18、リノール酸、3価、C18、γ-リノレン酸、4価、C20、アラキドン酸などがあります。


又、オレイン酸は、n - 9 系です。


以上より、正解は 4 です。






問17

毒素型食中毒を引き起こす菌はどれか。
1 つ選べ。

1 Clostridium perfringens
2 Salmonella enterica serovar Enteritidis
3 Staphylococcus aureus
4 Vibrio parahaemolyticus
5 Campylobacter jejuni




毒素型食中毒とは、食品内で細菌が産生した毒素を摂取して起こる食中毒です。
代表的な原因菌は、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などです。

Clostridium perfringens とは、ウェルシュ菌です。
嫌気性桿菌で、腸内細菌叢の主要な構成菌であることが多いです。
ウェルシュ菌による食中毒は、毒素型ではありません。
選択肢 1 は誤りです。


Salmonella enterica serover Enteritidis とは、サルモネラ菌の一種である腸内菌です。
試験としては、サルモネラとだけわかれば十分です。
サルモネラ菌による食中毒は、代表的な感染型の食中毒です。
選択肢 2 は誤りです。


Staphylococcus aureus とは、黄色ブドウ球菌です。
代表的な毒素型食中毒の原因菌です。


Vibrio parahaemolyticus とは、腸炎ビブリオです。
主に海水中に生息し、魚介類などを食べることにより感染します。
感染型の食中毒の原因菌です。
選択肢 4 は誤りです。


Campylobacter jejuni とは、カンピロバクターの一種です。
肉などの摂取に伴い感染します。
感染型の食中毒の原因菌です。
選択肢 5 は誤りです。


正解は 3 です。






問18

人口動態統計における「死産」の定義について正しいのはどれか。
1 つ選べ。

1 妊娠満1 週以後の死児の出産
2 妊娠満4 週以後の死児の出産
3 妊娠満12 週以後の死児の出産
4 妊娠満28 週以後の死児の出産
5 妊娠満35 週以後の死児の出産




厚生労働省の規定によれば、妊娠12週以降の死亡した胎児の出産を死産と定義しています。
よって、正解は 3 です。

参考)
ちなみに、日本産科婦人科学会の定義では
妊娠22週以降の、妊娠中絶による死亡胎児の出産と定義されています。
※それ以前の妊娠中絶は、流産と呼ばれます。






問19

要因曝露に起因する疾病発生頻度が得られる疫学研究手法はどれか。
1 つ選べ。

1 無作為化比較試験
2 症例対照研究
3 記述疫学
4 横断研究
5 コホート研究




無作為化比較試験とは、治験や臨床試験等において、被験者を無作為に処置群と比較対照群に
割り付けるような試験です。
これは、処置の評価を行う試験であり、要因曝露に対する疾病発生頻度は得られません。
選択肢 1 は誤りです。

例えば、新薬Aで胃潰瘍の治療をするのと、従来の薬Bで胃潰瘍の治療をするのとの
効果の違いを評価するような試験のことです。


症例対照研究とは、疾病の有無に注目し、それぞれの群の曝露要因について調査する研究です。
要因曝露がどの程度寄与するかはわかりますが、要因曝露に起因する疾病発生頻度がどれくらいか
がわかるわけではありません。
選択肢 2 は誤りです。

例えば、肺がんになった患者と、そうでない患者を100人ずつ集めて
喫煙歴があるかないかを調査するような研究です。
これで、肺がんになった患者の方が、喫煙歴がある患者が多かったとしても
喫煙によって、どれくらい肺がんになったのかはわかりません。


記述疫学とは、結果の頻度や分布を調べ、原因の仮説を立てることです。
要因曝露に起因する発生頻度は得ることができません。
選択肢 3 は誤りです。

代表例としては、水俣病に関する研究が挙げられます。
謎の症状が、ある地域で流行した時、症状が発生した家を記述していき
どのような分布の特徴があるか、考えられる原因が何かを考えるといった
研究です。


横断研究とは、複数の調査対象者を、同時に調査していく研究方法です。
要因曝露に起因する発生頻度は得ることができません。
選択肢 4 は誤りです。

例えば、年齢で分けた集団において、要因を曝露させてみた時に
どのような違いがあるかを調査するといった研究です。


コホート研究とは、特定の要因に曝露した集団と、曝露していない集団を
一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較する研究です。
要因暴露に起因する発生頻度を得ることができます。


正解は 5 です。






問20

世界保健機関(WHO)が直接担当しない活動はどれか。
1 つ選べ。

1 感染症対策
2 衛生統計
3 地球温暖化防止対策
4 エイズ対策
5 たばこ対策




WHOの活動内容は、すべての人々が可能な最高の健康水準に到達することを目的とする
様々な情報の収集公開、国際基準の設定、多国間協力の推進、災害時緊急対策
感染症対策などです。

よって、環境問題に対して取り組む機関ではないので
地球温暖化防止対策は直接担当していません。


正解は 3 です。






問21

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に定められ
た感染症のうち、平成23 年以前に国内においてヒトでの報告例がないのはどれか。
1 つ選べ。

1 コレラ
2 レジオネラ症
3 細菌性赤痢
4 つつが虫病
5 鳥インフルエンザ( H5Nl )



鳥インフルエンザ(H5N1)は、日本では、ヒトへの感染報告例はH23年以前においては
ありません。

よって、正解は 5 です。


ちなみに、コレラは、年間30人以下程度で、日本で今も発生しています。
レジオネラ症は、年間数百人程度で、日本で今も発生しています。
細菌性赤痢は、年間100例前後で、日本で今も発生しています。
国外感染例が過半数を占めているという特徴が挙げられます。
つつが虫病は、年間数百人程度で、日本で今も発生しています。

感染症に関する統計などに関しては






問22

グリシン抱合を受ける化合物はどれか。
1 つ選べ。






選択肢 1 の化合物は、アセトアミノフェンです。
選択肢 2 の化合物は、フェノールです。
選択肢 3 の化合物は、2,4-ジニトロクロロベンゼンです。
選択肢 4 の化合物は、安息香酸です。
選択肢 5 の化合物は、イソニアジドです。


グリシン抱合は、馬尿酸の生成において行われます。
馬尿酸の生成までの経路は、以下のようになります。




よって、グリシン抱合を受けるのは、安息香酸です。


以上より、正解は 4 です。
参考)97-131 (リンク先は解説へとびます)






問23

シアン中毒の解毒剤として用いられる薬物はどれか。
1 つ選べ。

1 チオ硫酸ナトリウム
2 プラリドキシムヨウ化物(PAM)
3 ナロキソン
4 デフェロキサミン
5 ジメルカプロール



シアン中毒の解毒剤として用いるのは、チオ硫酸ナトリウムです。
正解は 1 です。

ちなみに、プラリドキシムヨウ化物は、有機リン剤中毒の特異的解毒剤です。
ナロキソンは、麻薬拮抗剤です。
デフェロキサミンは、余分な鉄を除去するキレート剤です。
ジメルカプロールは、重金属中毒の解毒剤です。






問24

水道法施行規則に基づいてその含有量の下限値が定められている水道水成分はどれか。
1 つ選べ。

1 ナトリウム及びその化合物
2 残留塩素
3 カルシウム、マグネシウム等(硬度)
4 亜鉛及びその化合物
5 塩化物イオン



水道法施行規則によれば(第十七条)
残留塩素に関しての下限が定められています。
すなわち、給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は、、、)
以上保持するように、、、場合の、、、残留塩素は0.2mg/L(結合残留塩素の場合は、、、
と定められています。

以上より、正解は 2 です。






問25

環境基本法で規定された以下の公害のうち、環境基準が設定されていないのはどれか。
1 つ選べ。

1 騒音
2 振動
3 大気汚染
4 水質汚濁
5 土壌汚染



大気汚染に係る環境基準に関しては、SO2,CO、ベンゼンなどについて定められています。
騒音に係る環境基準に関しては、地域の類型及び時間帯に応じて、基準値が定められています。
水質汚濁に係る環境基準に関しては、微量元素などについて、基準値が定められています。
土壌汚染に係る環境基準に関しては、微量元素などについて、基準値が定められています。

詳しくは、環境省のホームページで公開されています。

以上より、正解は 2 です。