体内動態が線形性を示す薬物Aは、肝代謝と腎排泄によって体内から消失し 正常時における肝代謝クリアランスは全身クリアランスの20%である。 また、腎疾患時に薬物Aの肝代謝クリアランスは変化しないが 腎排泄クリアランスは糸球体ろ過速度(GFR)に比例して変化する。 薬物Aを投与中の患者において、GFR が正常時の25%に低下したとする。 薬物Aの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を腎機能正常時と同じにするには 投与量を腎機能正常時の何%に変更すればよいか。 最も近い値を1つ選べ。 1 20% 2 40% 3 80% 4 120% 5 250% AUC = D/CL です。 CL(全) = CL(肝)+CL(腎)です。 CL(全)を x とおくと CL(肝)は 0.2 x 、CL(腎)は 0.8 x とおくことができます。 今、GFR が正常時の 25% に低下したとすると CL(腎)が GFR に比例するとのことなので CL(腎)も 25% に減少します。 よって、CL(腎)= 0.8 x × 0.25 = 0.2 です。 すると、CL(全)=0.2 x + 0.2 x = 0.4 x となり クリアランスが 40% に減少しています。 AUC を元と同じにするには、投与量 D も 40% にすればよいです。 よって、正解は 2 です。 |