問98-172 解説



問172

体内動態が線形性を示す薬物Aは、肝代謝と腎排泄によって体内から消失し
正常時における肝代謝クリアランスは全身クリアランスの20%である。
また、腎疾患時に薬物Aの肝代謝クリアランスは変化しないが
腎排泄クリアランスは糸球体ろ過速度(GFR)に比例して変化する。

薬物Aを投与中の患者において、GFR が正常時の25%に低下したとする。
薬物Aの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を腎機能正常時と同じにするには
投与量を腎機能正常時の何%に変更すればよいか。
最も近い値を1つ選べ。

1 20%   2 40%   3 80%   4 120%   5 250%







AUC = D/CL
です。

CL(全) = CL(肝)+CL(腎)です。
CL(全)を x とおくと
CL(肝)は 0.2 x 、CL(腎)は 0.8 x  とおくことができます。

今、GFR が正常時の 25% に低下したとすると
CL(腎)が GFR に比例するとのことなので
CL(腎)も 25% に減少します。
よって、CL(腎)= 0.8 x × 0.25 = 0.2 です。

すると、CL(全)=0.2 x + 0.2 x = 0.4 x となり
クリアランスが 40% に減少しています。
AUC を元と同じにするには、投与量 D も 40% にすればよいです。



よって、正解は 2 です。