薬物の物性に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1つ選べ。 1 非晶質は、熱力学的に平衡状態にある。 2 共融混合物では、異なる成分どうしが結晶格子を形成している。 3 水和物結晶は、その無水物結晶よりも水に対する溶解度が高い。 4 固溶体中において、薬物は結晶状態で分散している。 5 結晶多形において、準安定形に比べて安定形の方が融点が高い。 非晶質とは、非平衡な準安定状態のことです。 よって、平衡状態ではありません。 選択肢 1 は誤りです。 共融混合物とは、一定の組成である、均一な混合物のことです。 それぞれの要素が均一であれば、仮に異なる成分どうしが結晶格子を 形成しているとすれば、全体として不均一であり、不適切です。 よって、選択肢 2 は誤りであると考えられます。 無水物結晶の方が、水和物結晶よりも、水に対する溶解度は高いです。 よって、選択肢 3 は誤りです。 固溶体とは、2 種類以上の元素が互いに溶け合い、全体が均一の固相と なっているもののことです。 よって、薬物分子は、その分子のみで結晶を構成しているとすれば 全体が不均一であり、不適切であると考えられます。 よって、選択肢 4 が誤りであると考えられます。 選択肢 5 はその通りの記述です。 以上より、正解は 5 です。 |