問98-266~98-285 解説一覧



問266

病棟で医師から薬剤師に先発医薬品と後発医薬品の違いについて質問があった。

後発医薬品に関する説明として、誤っているのはどれか。
1つ選べ。


1 先発医薬品と有効成分が異なることがある。
2 先発医薬品と添加物が異なることがある。
3 承認を受けた効能・効果は先発医薬品と異なることがある。
4 先発医薬品にはない剤形のものがある。
5 先発医薬品に比べて味が工夫され飲みやすくなっている薬剤がある。



後発医薬品とは、特許が切れた医薬品を、他の製薬会社が製造又は供給する医薬品のことです。
よって、有効成分は同じものになります。

後発医薬品は、添加物や効能・効果が先発品とは異なることがあります。
又、先発医薬品にはない剤形のものがあることもあります。

以上より、正解は 1 です。





問267

病棟で医師から薬剤師に先発医薬品と後発医薬品の違いについて質問があった。

後発医薬品は、先発医薬品と生物学的に同等である必要がある。
製剤間の生物学的同等性を規定する薬物動態パラメータはどれか。
2つ選べ。

1 分布容積
2 最高血中濃度
3 消失半減期
4 平均滞留時間
5 血中濃度時間曲線下面積




生物学的同等性の評価法に関しては
AUC、及びCmax を、生物学的同等性評価パラメータとします。

よって、正解は 2,5 です。





問268

80歳女性。体重65kg。うっ血性心不全、高血圧症、慢性腎不全と診断され、以下の薬剤を服用していた。
アレルギー歴、肝機能障害、副作用歴なし。
機能、食欲低下と不整脈等の体調変化が認められ、救命救急センターに運ばれた。

ジゴキシン錠0.25mg
フロセミド錠40mg
スピロノラクトン錠25mg
デノパミン錠5mg
バルサルタン錠40mg


診察した医師はジギタリス中毒を疑い、薬剤師に情報提供を求めた。
ジギタリス中毒に関する内容として、誤っているのはどれか。
1つ選べ。

1 消化器症状として食欲不振、悪心がある。
2 視覚異常として横視・複視がある。
3 血清中ジゴキシン濃度(トラフ値)が2ng/mLを超えると、中毒症状の発現頻度が高くなる。
4 肝機能障害のある患者では中毒症状を起こしやすい。
5 一般に、ジゴキシン除去を目的とした血液透析は無効である。



ジギタリス中毒とは、消化器症状や、視覚異常、不整脈などが生じる
主にジギタリス製剤によって引き起こされる副作用です。

選択肢 1 ~ 3 はその通りの記述です。


ジゴキシンは主に腎臓により排泄されるため、選択肢 4 は誤りです。


ジゴキシンは、分布容積が大きい薬物であるため、血液中のジゴキシンは、体内の総ジゴキシンの
極めてわずかな量であることになります。
よって、透析によるジゴキシン除去は、一般に無効です。
選択肢 5 はその通りの記述です。





問269 

80歳女性。体重65kg。うっ血性心不全、高血圧症、慢性腎不全と診断され、以下の薬剤を服用していた。
アレルギー歴、肝機能障害、副作用歴なし。
機能、食欲低下と不整脈等の体調変化が認められ、救命救急センターに運ばれた。

ジゴキシン錠0.25mg
フロセミド錠40mg
スピロノラクトン錠25mg
デノパミン錠5mg
バルサルタン錠40mg


この患者で推定される薬物の体内分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 高齢であるため体脂肪率が増加していおり、脂溶性の高い薬物の脂肪組織への蓄積が生じやすい。
2 高齢であるため血漿中のα1-酸性糖タンパク質濃度が低下しており、塩基性薬物の非結合形分率が上昇している。
3 心不全により血流が増大しており、薬物の分布容積の増大が起こりやすい。
4 慢性腎不全により血漿中のアルブミン濃度が低下しており、酸性薬物の非結合形分率が上昇している。



選択肢 1 はその通りの記述です。


加齢に伴い、一般に、α-1酸性糖タンパク質濃度は上昇します。
よって、選択肢 2 は誤りです。


心不全であれば、血流は減少していると考えられます。
よって、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 はその通りの記述です。
アルブミンは、塩基性のタンパク質であるため、酸性又は中性の薬物は
アルブミンと結合することが多いです。
よって、アルブミンの濃度が低下していれば、酸性薬物の非結合分率が
上昇していることになります。


以上より、正解は 1,4 です。




問270

10歳男児。体重30kg。てんかんのためフェノバルビタールを服用していた。
最近、傾眠傾向にあり、母親が心配になり、男児と医療機関を受診した。
薬剤師がフェノバルビタールの血清中濃度を測定したところ40μg/mLであり
治療有効濃度を超えていた。男児の肝機能及び腎機能は正常であった。


この患者への処置として、最も適切なのはどれか。

1 アトロピン硫酸塩水和物の静注
2 フルマゼニルの静注
3 炭酸水素ナトリウムの点滴静注
4 塩化アンモニウムの点滴静注
5 ホリナートカルシウムの静注



アトロピンは、有機リン中毒に対する対症療法として用いられる解毒剤です。

フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン系薬物による過鎮静に対する解毒剤です。

炭酸水素ナトリウム(メイロン)を静注することにより、尿の pH がアルカリ側に変化します。
フェノバルビタールは酸性薬物なので、尿に溶けやすくなることで
尿中への排出量が増加することが知られています。

塩化アンモニウムは、高度な低 Cl 性アルカローシスの是正における
電解質補液の電解質補正に用いられます。

ホリナートカルシウムは、メトトレキサートの副作用を予防する薬です。
又、テガフール・ウラシルの作用増強にも用いられます。
葉酸の活性型製剤です。


以上より、最も適切なのは、炭酸水素ナトリウムの点滴静注です。


正解は 3 です。





問271

10歳男児。体重30kg。てんかんのためフェノバルビタールを服用していた。
最近、傾眠傾向にあり、母親が心配になり、男児と医療機関を受診した。
薬剤師がフェノバルビタールの血清中濃度を測定したところ40μg/mLであり
治療有効濃度を超えていた。男児の肝機能及び腎機能は正常であった。

前問で選択した薬物がフェノバルビタールの体内動態に及ぼす影響として
正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 消化管吸収の阻害
2 尿細管再吸収の抑制
3 尿細管分泌の促進
4 受容体での拮抗
5 胆汁中排泄の促進



炭酸水素ナトリウム静注により、尿の pH がアルカリ性に偏ることで
酸性薬物であるフェノバルビタールの尿中排泄が促進されます。
これは、再吸収の抑制という形で実現されます。
(再吸収される際には、薬物が分子形であることが求められますが
尿のpHがアルカリ性になることで、酸性薬物であるフェノバルビタールは
よりイオン形の割合が高くなると考えられます。
このため、再吸収が抑制され、結果として排泄が促進されます。)

以上より、正解は 2 です。





問272

65歳男性。保険薬局に異なる診療科の処方せん(処方1、処方2)を同時に持参した。

(呼吸器内科の処方内容)
イソニアジド錠 100mg 1回3錠(1日3錠)
1日1回 朝食後 14日分

シプロフロキサシン錠 200mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 14日分

L-カルボシステイン錠 500mg 1回1錠(1日3錠)

レバミピド錠 100mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 14日分

(整形外科の処方内容)
チザニジン塩酸塩錠 1mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 14日分


呼吸器内科の処方薬剤のうち、整形外科の処方薬剤と併用禁忌であるのはどれか。

1 イソニアジド錠
2 シプロフロキサシン錠
3 L-カルボシステイン錠
4 レバミピド錠




チザニジンは、フルボキサミン又はシプロフロキサシンを投与中の患者は禁忌です。
これらの薬剤がCYP1A2を阻害することによると考えられています。

ちなみに、チザニジンは、頚肩腕症候群や腰痛症における、筋緊張状態の改善に用いられます。
さらに、さまざまな疾患による痙性の麻痺にも用いられます。


以上より、正解は 2 です。





問273

65歳男性。保険薬局に異なる診療科の処方せん(処方1、処方2)を同時に持参した。

(呼吸器内科の処方内容)
イソニアジド錠 100mg 1回3錠(1日3錠)
1日1回 朝食後 14日分

シプロフロキサシン錠 200mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 14日分

L-カルボシステイン錠 500mg 1回1錠(1日3錠)

レバミピド錠 100mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 14日分

(整形外科の処方内容)
チザニジン塩酸塩錠 1mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 14日分


上記の併用禁忌となる相互作用の主なメカニズムはどれか。
1つ選べ。

1 キレート形成
2 代謝酵素の阻害
3 トランスポーターの誘導
4 尿 pH の変化
5 受容体での拮抗



問272の解説と重複しますが、チザニジンが、フルボキサミンやシプロフロキサシンとの
併用が禁忌である理由は、CYP1A2の阻害によるものと考えられています。

よって、正解は 2 です。





問274

53歳男性。体重50kg。胃がんと診断され、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤と
シスプラチンとの併用療法が施行されることになった。

この患者において、シスプラチンの点滴静注終了後の体内動態は
線形2コンパートメントモデルに従い、α相(分布相)の半減期は10分
β相(消失相)の半減期は42時間であった。片対数グラフに示す血清中濃度推移として
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。




α相(分布相)における半減期が10分とあることから、1~3は、点滴静注終了後から
1時間程度までの部分が緩やかすぎるため、違います。

4と5を比較すると、β相の半減期は42時間とあるので
このグラフの横軸では半減期を1回も経過しないはずです。
よって、4が適切であると考えられます。


正解は 4 です。





問275

53歳男性。体重50kg。胃がんと診断され、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤と
シスプラチンとの併用療法が施行されることになった。

今回の治療法の副作用とその対策に関する記述のうち、誤っているのはどれか。
1つ選べ。


1 嘔気・嘔吐の副作用発現頻度が高い。
2 骨髄抑制などの副作用を回避するために、血液検査を頻回行う。
3 シスプラチンによる腎毒性軽減のために、大量の輸液投与を行う。
4 利尿剤の併用は禁忌である。
5 副作用予防のため、いずれの薬剤も休薬期間が必要である。



テガフール、ギメラシル、オテラシルカリウム(TS-1)は、胃がんなどに用いられる経口抗がん剤です。
シスプラチンなどと併用されます。

腹水がたまった時などに、利尿剤が併用されることもあります。
禁忌ではありません。
よって、選択肢 4 は誤りです。

その他の選択肢は、全てその通りの記述です。

TS-1は、通常成人に、1日2回で28日間連日投与した後、14日間の休薬をはさみます。
シスプラチンは、様々な用法がありますが、胃癌について選択されるE法では
1日1回投与して、少なくとも3週間休薬をします。


正解は 4 です。





問276

保険薬局にて、以下の処方せんを受け付けた。

(処方1)
ダイオウ末 1回 0.5g (1日 1.5g )
酸化マグネシウム 1回 0.5g (1日 1.5g )

(処方2)
アスピリン末 1回0.33g (1日1.0g)
炭酸水素ナトリウム 1回0.5g (1日1.5g)
1日3回 朝昼夕食後 7日分

粉末薬品の混合に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 互いに相互作用を起こさない水に可溶な2種の結晶性粉末を混合すると、臨界相対湿度は上昇する。
2 水に可溶な結晶性粉末と不溶な結晶性粉末とを混合すると、水に可溶な結晶性粉末の臨界相対湿度は低下する。
3 粉末薬品の混合性は、粉末薬品の粒子形状の影響を受ける。
4 2種の粉末薬品を混合する場合、粒子の密度差が大きいほど混合性がよい。
5 粉末薬品の混合は、粒子間の結合性及び付着性が小さい場合には平均粒子径の差が近いほど容易である。



臨界相対湿度とは、吸湿も乾燥もしない湿度のことです。
言い換えると、これ以上の湿度になると、吸湿する湿度です。

臨界相対湿度は、2種類の粉末を混合した時は、一般に吸湿性が増します。
すなわち、臨界相対湿度は、下がります。
よって、選択肢 1 は誤りです。


水に可溶な結晶性粉末と、不溶な結晶性粉末を混合しても、臨界相対湿度は
変化しません。
よって、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 はその通りの記述です。


粒子の密度差が大きいほど、混合性は悪くなります。
よって、選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 はその通りの記述です。


以上より、正解は 3,5 です。





問277

保険薬局にて、以下の処方せんを受け付けた。

(処方1)
ダイオウ末 1回 0.5g (1日 1.5g )
酸化マグネシウム 1回 0.5g (1日 1.5g )

(処方2)
アスピリン末 1回0.33g (1日1.0g)
炭酸水素ナトリウム 1回0.5g (1日1.5g)
1日3回 朝昼夕食後 7日分


この2つの処方の調剤方法として、適切なのはどれか。
2つ選べ。

1 処方1は、混合すると変色する場合があるが、薬効には影響がないので、混合して分包する。
処方2は、混合して分包する。
2 処方1は、混合すると変色する場合があるが、薬効には影響がないので、混合して分包する。
処方2は、混合せず別包とする。
3 処方1は、混合せず別包とする。
処方2は、混合すると変色する場合があるが、薬効には影響がないので、混合して分包する。
4 処方1,2ともに混合せず、それぞれ別包とする。



ダイオウ末(黄土色)と酸化マグネシウムを混合すると、赤色に配合変化をおこします。
薬効には影響ありません。


アスピリンと炭酸水素ナトリウムを混合すると、中和反応により、水が生じてしまい
湿潤してしまいます。


以上より、適切なのは、選択肢 2,4 です。





問278

75歳男性。血糖コントロール不良で入院した。眼底検査のために眼科を受診したところ
眼圧上昇が認められたので、以下の薬剤が処方された。

(処方)
チモプトールXE点眼液 0.5%(注) (2.5mL/本) 1回1滴
1日1回 両眼に点眼 全1本
(注:チモロールマレイン酸塩を 0.5%含む持続性点眼液)

ベッドサイドで今回の処方に対する服薬指導を行う前に、カルテ等から調べておく患者情報として
優先度の高いのはどれか。
2つ選べ。

1 HbA1c値
2 低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)値
3 気管支ぜん息の既往歴
4 高尿酸血症の既往歴
5 心疾患の既往歴



チモプトールは、β遮断作用があり、気管支喘息、又はその既往歴のある患者に禁忌です。
又、コントロール不十分な心不全などの心疾患も、症状を憎悪させるおそれがあるため
禁忌です。
よって、気管支ぜん息及び心疾患の既往歴について、優先度の高い情報として
調べておくべきであると考えられます。


正解は 3,5 です。





問279

75歳男性。血糖コントロール不良で入院した。眼底検査のために眼科を受診したところ
眼圧上昇が認められたので、以下の薬剤が処方された。

(処方)
チモプトールXE点眼液 0.5%(注) (2.5mL/本) 1回1滴
1日1回 両眼に点眼 全1本
(注:チモロールマレイン酸塩を 0.5%含む持続性点眼液)


チモプトールXE点眼液には、以下の添加物が用いられている。
添加物:ジェランガム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
ベンゾドデシニウム臭化物、D-マンニトール
この点眼剤が持続性を示す機構として、正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 涙液中のナトリウムイオンと反応しゲル化するため。
2 薬物と添加物が不溶性の複合体を形成しているため。
3 薬物が徐放性微粒子に内封されているため。
4 薬物がo/w型エマルションの油層に保持されているため。
5 高分子を結合させたプロドラッグであるため。




チモプトールXEは、涙液中のイオンにより、角膜上でゲル化することにより、持続性を示します。
ゲル化する目薬なので、複数の点眼液を利用する時は、最後に点眼するよう指導します。
ゲル化剤は、ジェランガムです。


以上より、正解は 1 です。





問280

35歳男性。てんかんの持病があり、処方1によりコントロールされていた。

(処方1)
デパケンR錠200(注) 1回2錠 (1日2錠)
1日1回 朝食後 30日分
(注:バルプロ酸ナトリウム 200 mg を含む徐放錠)

あるとき、2日間激しい下痢が続き、救急外来を受診した。患者からの聴取により黄色ブドウ球菌による食中毒が疑われた。医師が処方2を追加する際に、薬剤師に意見を求めてきた。

(処方2)

アンピシリン水和物カプセル250mg 1回 2 カプセル(1日8カプセル)
1日4回 6時間毎 5日分
ビフィズス菌錠12mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 5日分

医師に対する情報提供として、適切なのはどれか。
2つ選べ。

1 ロペラミド塩酸塩カプセル1mgを追加すべきである。
2 バルプロ酸の血中濃度の低下を懸念して、TDMを実施すべきである。
3 バルプロ酸の副作用リスクが高まるため、肝機能検査を実施すべきである。
4 ビフィズス菌錠は、耐性乳酸菌錠に変更すべきである。
5 アンピシリンは、バルプロ酸との相互作用により中枢性けいれんを誘発するので、併用禁忌である。




食中毒の時に、下痢を無理に止めるのは、推奨されません。
よって、下痢止めであるロペラミドを追加すべきであるとはいえません。
選択肢 1 は誤りです。


デパケンRは、徐放性製剤です。
そのため、服用後、一定時間消化管内に滞留する必要があります。
本問の患者は、重篤な下痢状態であり、血中濃度が十分に上昇しない可能性が
あるため、血中濃度の低下を懸念して、TDMを実施すべきです。
選択肢 2 はその通りの記述です。


アンピシリンは腎排泄の薬です。
よって、肝機能検査を実施すべきであると情報提供するのは
適切ではないと考えられます。
選択肢 3 は誤りです。


抗生剤との併用であるため、耐性乳酸菌錠への変更を
推奨するのは適切であると考えられます。
選択肢 4 はその通りの記述です。


アンピシリンとバルプロ酸は、併用禁忌ではありません。
選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2,4 です。





問281
35歳男性。てんかんの持病があり、処方1によりコントロールされていた。

(処方1)
デパケンR錠200(注) 1回2錠 (1日2錠)
1日1回 朝食後 30日分
(注:バルプロ酸ナトリウム 200 mg を含む徐放錠)

あるとき、2日間激しい下痢が続き、救急外来を受診した。患者からの聴取により黄色ブドウ球菌による食中毒が疑われた。医師が処方2を追加する際に、薬剤師に意見を求めてきた。

(処方2)

アンピシリン水和物カプセル250mg 1回 2 カプセル(1日8カプセル)
1日4回 6時間毎 5日分
ビフィズス菌錠12mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 5日分


デパケンR錠は、マトリックス型の徐放錠である。マトリックス型徐放錠の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 服用後速やかに崩壊し、内包された徐放性顆粒から薬物が放出される。
2 速報性顆粒と徐放性顆粒を混合し、打錠した製剤である。
3 徐放層と速放層の2層からなる錠剤である。
4 速放性の外殻層と徐放性の内殻錠からなる錠剤である。
5 基剤中に薬物が均一に分散している。




デパケンR錠は、マトリックス構造を核として、外側を徐放性皮膜で覆った
二重構造になっています。
マトリックス型とは、基質(基剤)中に、薬物を分散させて錠剤とした製剤のことです。
イメージとしては、スポンジに薬を含ませたようなものです。
よって、正解は 5 です。


ちなみに、外側が速やかに溶け、内側に徐放性顆粒があるのはロンタブです。
速報性顆粒と徐放性顆粒を混合し打錠したのは、スパスタブです。
徐放層と速放層の2層からなるのは、スパンタブです。
速放性の外殻層と、徐放性の内殻錠からなる錠剤は、コーティング剤です。



問282 
65歳男性。体重53kg。疼痛緩和治療を受けているがん患者である。
モルヒネの副作用としての便秘がひどくなり、処方変更がなされた。

(従来処方)
モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠30mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 3日分

(変更処方)
フェントステープ2mg(注) 1回1枚 (1日1枚)
1日1回 就寝前 3日分 (全3枚)

(注:フェンタニルクエン酸塩2mgを含む経皮吸収型製剤)

疼痛緩和治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。
2つ選べ。

1 上記の処方変更は、オピオイドローテーションの一例である。
2 WHO方式3段階がん疼痛治療ラダーの第1段階では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)か
ペンタゾシンのいずれかが用いられる。
3 フェントステープへの切り替えの際は、レスキュードーズを考慮する必要がある。
4 フェントステープ使用時には、NSAIDsなどの鎮痛補助剤の併用は避けるべきである。




オピオイドローテーションとは、投与中のオピオイドから
他のオピオイドへ変更を行うことです。
副作用を避けたり、より強い鎮痛効果を得ることが目的です。
選択肢 1 はその通りの記述です。


WHO方式ラダーの第1段階は、NSAIDs やアセトアミノフェンといった
非オピオイドを使用します。
よって、ペンタゾシンは用いられません。
選択肢 2 は誤りです。


フェントステープへの切り替えの際は
初回貼付時、患者によって十分な鎮痛効果が得られない時があります。
そこで、本剤の鎮痛効果が得られるまで、適宜オピオイド鎮痛剤の追加(レスキュー)
で鎮痛を図ります。
選択肢 3 はその通りの記述です。


痛みのコントロールのために、様々な鎮痛補助剤も用いられます。
よって、特に併用を避けるべきということはありません。
選択肢 4 は誤りです。


以上より、正解は 1,3 です。






問283

65歳男性。体重53kg。疼痛緩和治療を受けているがん患者である。
モルヒネの副作用としての便秘がひどくなり、処方変更がなされた。

(従来処方)
モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠30mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 3日分

(変更処方)
フェントステープ2mg(注) 1回1枚 (1日1枚)
1日1回 就寝前 3日分 (全3枚)

(注:フェンタニルクエン酸塩2mgを含む経皮吸収型製剤)


今回処方されたフェントステープに関する記述のうち、誤っているのはどれか。
1つ選べ。

1 支持体、薬物を含む膏体及びライナーから構成される。
2 貼付24時間後も、製剤中に薬物が残存している。
3 膏体を構成するスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体には、水に不溶である。
4 高温とならない所に保管する。
5 ハサミ等で切って使用しても差しつかえない。



選択肢 1 ~ 4 はその通りの記述です。

フェントステープは、ハサミ等で切って使用してはいけません。
1枚(の薬物量)での使用が想定されています。
他にも、生活上の注意として、テープを貼っている部分が
電気パッドなどで温まらないように注意する必要があります。
温度によって、薬剤の溶出が速くなるためです。


以上より、正解は 5 です。





問284
47歳男性。気管支ぜん息の治療中である。この患者に以下の薬剤が新たに処方された。

(処方)
アドエア125エアゾール120吸入(注) 1回2吸入
1日2回 朝夕食後 吸入 全1個
(注:サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルを含有する
加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)。
1吸入で、サルメテロールとして25μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして125μgを吸入できる。)


この患者に対する服薬指導の内容として、適切でないのはどれか。
1つ選べ。

1 ぜん息発作重積状態の時に使用してもよい。
2 用時振とうして使用すること。
3 吸入ステロイド薬単独使用時と比べ、ステロイド薬の減量が可能である。
4 発作が起こらなくても毎日定期的に使用する。
5 薬剤噴霧と吸入のタイミングを同調できない時には、スペーサーの使用を勧める。




アドエアエアゾールは、下図のような吸入剤です。



より引用


アドエアは、喘息発作重責状態の時には使用できません。
よって、選択肢 1 は適切ではありません。


選択肢 2 ~ 5 はその通りの記述です。


正解は 1 です。





問285
47歳男性。気管支ぜん息の治療中である。この患者に以下の薬剤が新たに処方された。

(処方)
アドエア125エアゾール120吸入(注) 1回2吸入
1日2回 朝夕食後 吸入 全1個
(注:サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルを含有する
加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)。
1吸入で、サルメテロールとして25μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして125μgを吸入できる。)

この薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 全身作用を目的とした吸入エアゾール剤である。
2 肺深部まで薬物を送達させるために、エアゾール粒子の空気力学径が30~100μmの
大きさに設計されている。
3 速く吸入する方が吸入効率がよい。
4 吸入後に息を止める必要はない。
5 容器は、密封容器である。



アドエアエアゾールは、吸入薬です。
吸入により、局所的作用が期待される薬です。
よって、全身作用が目的ではありません。
選択肢 1 は誤りです。


アドエアエアゾールの粒子径は、大体 3 μm 程度です。
よって、選択肢 2 は誤りです。


アドエアエアゾールは、手で押して薬を押し出す形式なので
速く吸入する必要はありません。
無理をしない程度に十分息を吐き出した後、息をゆっくりと吸い込みながら吸入します。
よって、選択肢 3 は誤りです。


吸入後には、数秒間息をとめます。
よって、選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 はその通りの記述です。


ちなみに、吸入後は、必ずうがいをするよう指導する必要があります。
気道に薬が残ることによる、副作用(感染症など)を避けるためです。


以上より、正解は 5 です。