問98-269 解説



問269 

80歳女性。体重65kg。うっ血性心不全、高血圧症、慢性腎不全と診断され、以下の薬剤を服用していた。
アレルギー歴、肝機能障害、副作用歴なし。
機能、食欲低下と不整脈等の体調変化が認められ、救命救急センターに運ばれた。

ジゴキシン錠0.25mg
フロセミド錠40mg
スピロノラクトン錠25mg
デノパミン錠5mg
バルサルタン錠40mg


この患者で推定される薬物の体内分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 高齢であるため体脂肪率が増加していおり、脂溶性の高い薬物の脂肪組織への蓄積が生じやすい。
2 高齢であるため血漿中のα1-酸性糖タンパク質濃度が低下しており、塩基性薬物の非結合形分率が上昇している。
3 心不全により血流が増大しており、薬物の分布容積の増大が起こりやすい。
4 慢性腎不全により血漿中のアルブミン濃度が低下しており、酸性薬物の非結合形分率が上昇している。



選択肢 1 はその通りの記述です。


加齢に伴い、一般に、α-1酸性糖タンパク質濃度は上昇します。
よって、選択肢 2 は誤りです。


心不全であれば、血流は減少していると考えられます。
よって、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 はその通りの記述です。
アルブミンは、塩基性のタンパク質であるため、酸性又は中性の薬物は
アルブミンと結合することが多いです。
よって、アルブミンの濃度が低下していれば、酸性薬物の非結合分率が
上昇していることになります。


以上より、正解は 1,4 です。