問98-254 解説



問254

70歳男性。経皮的冠動脈形成術 (PCI) が適用される急性冠症候群 (不安定狭心症、非ST上昇心筋症) の患者に以下の薬剤が処方された。

(処方)
クロピドグレル硫酸塩錠75mg 1回1錠 (1日1錠)
1日1回 朝食後 30日分

薬剤師として処方医に情報提供すべき内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

1 アスピリンと併用する必要がある。
2 投与開始日にはローディングドーズを必要とする。
3 重大な副作用として血栓性血小板減少性紫斑症(TTP)が発生することがあるので、投与開始後2ヶ月間は2週間に1回程度の血液検査を考慮する。
4 クロピドグレルの用量調節には、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定が必要である。
5 本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい。



クロピドグレル硫酸塩錠は、経口投与後、肝臓で代謝を受けて活性代謝物となり
ADP受容体と結合することにより、ADP刺激による血小板の活性化を抑制することで
血小板凝集を抑制します。

経皮的冠動脈形成術が適用される虚血性心疾患の場合は、アスピリンとの併用が必要です。
よって、選択肢 1 はその通りの記述です。


目標とする血中濃度に速やかに到達させるための、初回量のことを、負荷投与量、もしくは
ローディングドーズと呼びます。
プラビックスは、初日に 300mg を投与し、以降は75mg 1日1錠で服用します。
よって、選択肢 2 は適切な記述です。


選択肢 3 はその通りの記述です。


APTTを指標に投与量を調節するのはヘパリンです。
よって、選択肢 4 は誤りです。


本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合は、14日以上前に投与を中止することが
望ましいとされています。よって、選択肢 5 はその通りの記述です。


以上より、正解は 4 です。