80歳男性。喀痰よりMRSAが検出され、以下の薬剤が処方された。 (処方) 点滴静注 アルベカシン硫酸塩注射液 (200mg/バイアル 1本) 200mg 生理食塩水 100mL 1日1回 2時間かけて投与 この患者の薬物療法において、薬剤師が考慮すべき検査項目はどれか。 2つ選べ。 1 最小発育阻止濃度 (MIC) 2 QT間隔 3 フィブリノーゲン 4 尿中ミクログロブリン 5 血中テストステロン MIC(minimum inhibitory concentration)とは、最小発育阻止濃度のことです。 MRSA に対する抗菌薬による治療であるため、MIC は、考慮すべき検査項目であると 考えられます。 QT間隔とは、心電図におけるQ波とT波の間隔のことです。 特に不整脈などは関係ないので、この患者の薬物療法において、考慮すべき検査項目であるとは いえないと考えられます。 フィブリノーゲンは、血液凝固因子の一つです。 特に血液系は関係がないので、この患者の薬物療法において、考慮すべき検査項目であるとは いえないと考えられます。 アルベカシンは、使用にあたり、腎機能異常及び、聴力障害等の副作用に留意する必要があります。 主に腎排泄型の薬剤です。 又、尿中ミクログロブリンは、血症タンパクの一種です。腎機能に関する指標の一つです。 よって、アルベカシン使用時は、尿中ミクログロブリン値は、考慮すべき検査項目であると 考えられます。 血中テストステロンは、血中のテストステロンというホルモンの濃度のことです。 特にホルモンは関係がないので、この患者の薬物療法において、考慮すべき検査項目であるとは いえないと考えられます。 以上より、正解は 1,4 です。 |