問98-263 解説



問263

80歳男性。喀痰よりMRSAが検出され、以下の薬剤が処方された。

(処方)
点滴静注
アルベカシン硫酸塩注射液 (200mg/バイアル 1本) 200mg
生理食塩水 100mL
1日1回 2時間かけて投与


MRSAに対するアルベカシンの抗菌作用機序として、正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、転写を抑制する。
2 細菌のエルゴステロール生合成を阻害し、細胞膜の透過性を高める。
3 細胞壁前駆体である直鎖状ペプチドグリカン末端のD-アラニル-D-アラニンと結合し
細胞壁の合成を阻害する。
4 細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合し、タンパク質の合成を阻害する。
5 細菌の微小管に結合し、有糸分裂を阻害する。



アルベカシンは、アミノグリコシド系抗生物質の一つです。
細菌のタンパク合成を阻害することにより、殺菌的に作用します。

タンパク合成であることから、正解は 4 です。


ちなみに
DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する抗菌薬は、リファンピシンです。
抗結核薬です。

エルゴステロール生合成を阻害するのは、ポリエン系などの抗真菌薬です。

D-アラニン-D-アラニンと結合し、細胞壁合成を阻害するのは、グリコペプチド系抗菌薬などです。

微小管に結合して、細胞分裂を阻害するのは、パクリタキセルなどの抗がん剤です。