55歳男性。体重60kg。クレアチニンクリアランス40mL/min。 ヘルペス脳炎のため、以下の処方が出された。 (処方) 点滴静注 アシクロビル点滴静注用(250mg/バイアル 3本) 600mg 生理食塩水 250mL 1日3回 1時間以上かけて投与 7日間連日実施 アシクロビルに関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。 1 抗ウイルス作用発現には、感染細胞内でのウイルス由来のチミジンキナーゼによるリン酸化が必要である。 2 生体内でパラシクロビルに変換され、抗ウイルス活性を示す。 3 単純ヘルペスウイルス(HSV)1型の増殖を抑制するが、HSV2型の増殖は抑制しない。 4 活性化体に変換されてdGTPと競合し、ウイルスのDNA合成を阻害する。 アシクロビルは、ウイルスに感染した細胞内で ウイルス由来のチミジンキナーゼによりリン酸化された後に ヒト由来のキナーゼにより、更なるリン酸化をうけて、アシクロビル三リン酸となります。 そして、DNAポリメラーゼを阻害して作用します。 よって、選択肢 1 はその通りの記述です。 又、生体内でパラシクロビルになるわけではないので 選択肢 2 は誤りです。 又、単純ヘルペスウイルス 1 型及び 2 型の増殖を抑制します。 よって、選択肢 3 は誤りです。 選択肢 4 はその通りの記述です。 以上より、正解は 1,4 です。 |